オクターブチューニングのやり方

こんにちは、ギタリスト・アレンジャーの原田です。
今回はオクターブチューニングについて話していきます。
最後まで宜しくお願いします。

1:ご挨拶
改めしてこんにちは、ギタリストの原田です。
先日ストラトの弦交換の動画をアップしたんですが、その中でオクターブチューニングもしたんですよね。
オクターブチューニングは弦交換の時だけに限らず、音程が気になったらいつでもやった方が良いと思うんですが、まぁそれはさておき、あの時に説明しなかったオクターブチューニングの考え方とやり方について説明していこうと思います。
自分もそうだったんですけど、結構オクターブチューニングってやり方忘れません??
でもこの動画を見てくれたら、多分この先困る事はなくなるんじゃないかなと思います。
それでは最後まで宜しくお願いします。

2:オクターブチューニングとは
まず最初に、そもそもオクターブチューニングってなんぞやって事をちゃんと答えられますか??
なんとなくやってる人も多いと思うんですけど、ここでちゃんとオクターブチューニングがなんなのかって事を確認していきましょう。

ギターってこういう感じでフレットが打ってあって、12フレットで丁度1オクターブ上がる様に出来ています。
なぜ12フレットかって言うと、現代の音楽は基本的に平均律と呼ばれる音律で構成されているので、それに準じて1オクターブを12分割しているわけです。
ちなみに、じゃあ何故1オクターブを12分割してるかと言うと平均律がピタゴラス音律を延長して作られたものだからです。詳しくはググってくださいw
ただ、1オクターブを12分割と言っても、見ての通り均等に12分割しているわけではないんですよね。
隣り合うフレットの長さは2の12乗根:1になるように配置されています。
つまり単に数学的な理由ですね。

そしてもう1つ大切な点として、12フレットというのは弦長の丁度半分に当たります。
これは同じ太さ、同じテンションで張られた弦は弦長によって音程が変わるんですが、弦長が半分になると周波数比は倍になるという物理法則なんですけど、周波数比が倍になるという事は音楽的に言えば1オクターブ上がる、と言う事になります。
この事を踏まえてオクターブチューニングを考えてみると、オクターブチューニングってつまり12フレットをちゃんと弦長の半分の所に置く調整、と言う事になります。
ここまでは大丈夫でしょうか?
3:オクターブチューニングの仕方
オクターブチューニングの正体が分かったところで、改めてオクターブチューニングの仕方を考えてみます。
一般的なオクターブチューニングのやり方って、12フレット上のハーモニクス音と12フレットの実音を比べて、実音の方が高ければサドルを後ろに、実音の方が低ければサドルを前に出すってやり方ですよね。
これが一体何をしているのかをちゃんと考えてみましょう。

その為にはまず、そもそもハーモニクス音ってなんですか?ってのを考えます。
まずハーモニクス音って弦長に対して整数比の場所で鳴るという性質があります。
例えば12フレットなら1/2、7フレットなら1/3、5フレットなら1/4って感じです。
逆にとって19フレット、17フレットでももちろん音は鳴ります。
んでそれぞれのハーモニクス音は12フレット上では開放弦の1オクターブ上、7フレットでは開放弦の1オクターブと5度上、5フレットでは2オクターブ上の音が出ます。
そうです、原理上12フレットでのハーモニクス音は実音の12フレット上の音と全く同じ音が出るはずなんです。
そして更に、オクターブ音は1ミリ2ミリ抑える所がズレても同じ音が鳴ると言うのも特徴ですね。
これらを踏まえると、例えばもし12フレットの音とハーモニクス音がズレているって場合は、ネック上の12フレットが弦長の半分の位置に正確に来ていないと言う事なので、弦長を変えて半分の位置を12フレットに合わせてやっている、これがオクターブチューニングです。

んで、調整の為にはサドルを動かすんですけど、これってどういう事かと言うと、片方の端が固定されている状態で弦長が変われば、当然その真ん中の位置も変わりますよね。
丁度良い感じのがあったのでフォトショップのレベル補正の画面を使って実際に動きを観て貰ってるんですけど、全体の長さが変わると真ん中の位置が前後するの分かりますかね??
オクターブチューニングってつまりこれをギターでやってるわけです。

んで、例えば実音の方が高いと言う事は、ネック上の12フレットの弦に対する位置が、弦長の半分よりもブリッジ側にずれているからって事、わかりますか?
なので、弦長の半分の位置を12フレットに合わせる為には弦長を長くしてあげれば良い、つまりサドルを後ろにずらすと言う事になります。
逆に、実音が低いと言う事はネック上の12フレットの弦に対する位置が、弦長の半分よりもヘッド側にずれている訳です。
なので、弦長の半分を合わせる為には弦長を短くしたい、つまりサドルを前にずらすと言う事になります。
この原理をちゃんと把握していれば、ハーモニクスと原音が違う時にどっちにサドルをずらすって事を頭で暗記せずとも、その都度考えて動かせる様になれると思います。
なのでね、もし良く分からなかったらもう一度この部分を巻き戻して観てみてください。
4:自分のやり方
ここまで説明してきたように、オクターブチューニングってつまり、ネック上にある12個目のフレットの位置を、その上に張られている弦の長さの丁度半分の位置に持っていく調整とも言えるわけです。
だとすれば、この目的を達成できるのであればどのやり方でも良いって事になりますよね。
そのバリエーションとして1つ、前回の動画で自分がやっていた方法を紹介します。

そのやり方はハーモニクスは使わずに、開放弦の音と12フレットの音を合わせる、ただそれだけです。
開放弦を鳴らして、次に12フレットの音を鳴らします。
同じ音程ならOK、音程がズレていればサドルを動かして調整します。
考え方はさっき言った考え方と同じで大丈夫です。

明確なアドバンテージがどの方法にもある訳ではないので、皆さんが自分で理解しやすいやり方でやるのが良いと思います。

5:まとめ
はい、皆さんお疲れ様でした。
今日ここでお伝えした事を理解して貰えたら、今後オクターブチューニングで迷う事はなくなると思いますし、そこが手間でなくなればオクターブチューニングの頻度も上げられるのでより良い音楽生活に繋がるかなと思ってこの動画を作る事にしました。

ちなみに1つ、今回した説明の中で省いた事があるんですけど、それは弦を抑える事で必ず起きるチョーキングの事です。
弦はネックから浮いた状態で弦が張られているので、弦を抑えると必ず少しだけチョーキングをする事になります。
なので、実はオクターブチューニングで合わせた12フレットの位置って、このチョーキング分を含めて調整する事になるので、物理的には完全な弦長の半分の位置というわけではないです。
ただまぁこれは別に知らなくても、オクターブチューニングの原理を語る上ではそこまで困る事がないので今回は省かせて貰いました。
ただ、これを含めて考えると、どうやってもオクターブチューニングが合わないパターンってのも出てくるんですけど、それはネックがめちゃくちゃ反ってる時ですね。
オクターブチューニングって各位置で弦を抑えた時に、大体同じ量だけチョーキングされると言う前提で行っているので、ネックが反りまくって居る場合、ローポジションとハイポジションとでは弦を抑えるまでの距離にかなりの差が出てしまう為、どうやっても調律が合わないと言う事になります。
まぁこうなったら大人しくリペアに出してください。
こんな感じで、今後もちょっと役に立つ話とかを動画にしてあげていきたいと思っているので、この動画が役に立ったとか面白かったと思ってくれたら、是非グッドボタンとかチャンネル登録とかを宜しくお願いします。
また今後こんなことを取り上げて欲しいとか、ここが良く分からなかったって所があったら、下の方にコメントを残してくれたら嬉しいです。

ではではここまでお付き合いありがとうございました。
また別の動画でお会いしましょう。

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