2022/10/30

本研究は、女性の内部労働市場の構造が、インフォーマル経済との雇用関係によって形成されていることを示している。この構造は、女性の労働市場全体の地位にとって、内部労働市場、外部労働市場の両面から重要であることを示唆している。第二に、本研究は、女性と男性の間の労働市場の分離を示す証拠を示している。主な知見として、女性は女性労働力の下層に集中しており、インフォーマル経済にも集中しており、正規労働市場には十分に統合されていないことが挙げられる。第三に、ジェンダー差別が女性の雇用と労働市場の状況に強い影響を及ぼしていることである。女性は仕事を見つけにくく、仕事から解雇される可能性が高い。

本論文は、アルゼンチンのブエノスアイレス市の1,764世帯を対象にした調査に基づいている。調査は、不況や社会変化の影響を含む、女性の仕事と家庭生活を対象としている。この調査では、女性が正式な雇用契約を結ばずに雇用されるインフォーマル雇用の役割に焦点を当てました。インフォーマル経済の正規の部分は多くの雇用機会と収入をもたらしますが、同時にインフォーマルセクターは大きな変容を遂げています。家事労働などの低賃金で働く従来の女性の雇用に代わり、社会保障制度の仕事、公共部門の仕事、清掃員や美容師（特にRieder & Schmittの論文参照）など、さまざまな雇用活動に従事する女性がインフォーマル・セクターに参入してきている。例えば、家事労働は主に女性が担っているが、男性からの需要も増えており、インフォーマルセクターの中でも女性の仕事が目立つようになってきた。その結果、90年代以降、このセクターに従事する女性の数は大幅に増加し、2010年には約30％に達している。

本稿は、Laura Rieder (Berlin: Mosel, 2010) とClaudia Schmitt (Berlin: Mosel, 2012) という2人の研究者の研究成果をもとに作成したものである。この研究では、労働人口の10％以上が女性で構成されているインフォーマルセクターが多いアルゼンチンのブエノスアイレスにおいて、不況が女性の労働市場の状況に与える影響に注目した。このインフォーマルセクターは、民間企業、政府機関、インフォーマルセクターなど、正規経済以外で雇用されている女性で構成されています。

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