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2022/11/02

この10名の男性のカットオフスコアは、低機能グループの73名の男性のカットオフスコア18.5と比較して、有意に高かった。アスペルガー障害群の男性10名のカットオフスコアは、高機能群の男性73名のカットオフスコアと比較して、低機能群の男性29名およびカットオフスコアが0のアスペルガー障害群の被験者10名のカットオフスコアと比較して、有意に高い値を示した。栗田ら(2004)は、高機能群のカットオフ点数を低機能群のカットオフ点数と比較すると、アスペルガー障害群の被験者とカットオフ点数0の低機能群の被験者30名では有意に高いことを明らかにした。しかし、高機能群(n=50)のAQ-J得点は低機能群(n=49)より有意に低かった。栗田ら(2004)は、アスペルガー障害群のAQ-J得点が高いことは、アスペルガー障害の信頼できる指標にはならないと結論づけた。したがって、AQ-Jはアスペルガー障害の診断のための鋭敏な尺度ではない可能性がある。栗田・西浦(2004)の研究では、日本人の高機能成人男性自閉症群と高機能男性障害群の男性にAQ-Jが実施された。第1群のAQ-J得点は第2群のそれよりも有意に低く、第2群は第1群よりも高いAQ-J得点を有していた。この研究は、AQ-Jが本来開発された男性集団の高知能という自閉症特性を適切に反映していないことを示した。栗田ら(2006)は、アスペルガー障害をもつ成人男性高機能集団においてAQ-Jの妥当性を評価した。高機能者群のAQ-J得点は低機能者群のそれよりも有意に高かったが、その差は統計的に有意ではなかった。また、栗田ら(2006)は、AQ-J得点と日本語版自閉症スペクトラム指数(AQ-J)の間に強い相関があり、英語版自閉症スペクトラム指数(AQ-J)の得点とは相関がないことを示した。

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