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エンディングカット

NHKで今夜放送されていたドラマ『エンディングカット』を観た。
芦田愛菜さん演じる美大を目指す高校生と美容師の両親の物語。

母は癌の末期で、自分の最期を旦那さんにエンディングカットしてほしいと頼む。
エンディングカットと聞いて、髪を整えるだけだと思ったが、納棺師さんのことみたいだった。

お父さんが亡くなった人のカットをしていることが最初は理解できず、反発する娘。
「そんな手で触らないで」というセリフがあった。
死を忌むということをよく表現している。
一般的にはそうなんだよなと思って悲しくなった。

しかし、父の仕事を見てみたいと葬儀場に行き、エンディングカットとはどんな仕事なのか、自分の眼で確かめる。そして、父を理解していく。
故人をきれいにする様子、遺族の様子を丁寧に描いていた。

納棺師や葬儀スタッフと一緒にご飯を食べる場面、普通に食事をする彼らを見て「慣れるんですね」と言う。
葬儀スタッフは「慣れないです。絶対泣かないけど」と返した。
私も仕事でエンゼルケアをする。
息を引きとる瞬間に立ち合うこともある。
さみしいけれど泣くことはない。
私たちは主人公になっちゃいけない。

ドラマの挿入歌、中村佳穂さんの歌声が、弔いのようであり、向き合っている人たちの心の機微のようで美しかったな。

死を考えることは「どう生きるか」を考えること。
再放送があればぜひ。

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