Happy Women's Map 島根県浜田市 佐賀主婦の店 創業者 牛島 國枝 女史 / The Founder of Saga Housewives' Grocery Store, Ms. Kunie Ushijima
「私がします!」
" I'll do it! "
赤「おすすめしかねます」・青「おすすめします」・黄「普通」
Red: “Cannot recommend” Blue: “Recommended” Yellow: "Average"
牛島國枝
Ms. Kunie Ushijima
1910 - 1999
島根県浜田市
Born in Hamada-city, Shimane-ken
牛島國枝女史は、日本初の名実ともに主婦による主婦のためのスーパーマーケットの創業者。女性株主のみで「佐賀主婦の店」をスタートさせ佐賀一番のチェーンストアに育て上げます。有害食品追放・過大表示商品を排除する食品マーク付け運動をはじめて実施して、佐賀から全国に大反響を巻き起こします。NHKテレビドラマ『おしん』のモデルの一人。
Ms. Ushijima Kunie is the founder of Japan's first supermarket for and by housewives, both in name and reality. She started the "Saga Housewives' Store" with only female shareholders and developed it into Saga's leading chain store. She initiated a food labeling movement to eliminate harmful foods and products with exaggerated claims, creating a nationwide impact starting from Saga. She is also one of the models for the NHK TV drama "Oshin."
「小説家の夢」
國枝は旧制中学校教師の父・喜太郎と資産家の娘である母・コウのもと4人きょうだいに生まれます。9歳の時に父が急逝、母の郷里の佐賀に移り住みます。小説家を目指して佐賀高等女学校時代に『婦人公論』に短編小説を応募、2回連続で入選します。さらに東京女子高等師範代に挑戦しますが挫折。18歳で母方のいとこ牛島栄四朗と結婚。嫁ぎ先は田畑・貸家をたくさん所有する資産家で、夫の兄弟は石油業、運送業を経営。國枝は義母と折り合い悪く披露宴を拒否、夫と共に酒屋に次いでタクシー会社の経営に専念します。戦後の婦人参政権実現とともに、國枝は37歳から市会議員ならびに県会議員に立候補、それぞれ3期連続で務めあげ、主婦連合会会長の奥むねお女史また市川房枝女史と親交を結びます。さらに経営者の妻たちを中心に15人の友人を集め読書グループ「菱の実会」を結成。女性の自律的人間形成・地域社会の進展・グループリーダー養成を目標に活動を続けます。
「有閑マダムのへそくり会社」
ある日、岐阜発「主婦の店」スーパーマーケットが繁盛している記事を見つけます。早速、國枝は友人2人で全国のスーパーマーケットを見て回ります。「これなら私たちにもできる!」。読書会のメンバーのうち8人で出資200万円、知り合いに頼み込んで佐賀市の西のはずれ西魚町にバラック小屋を建ててもらい賃借契約を結びます。店の建築が始まると、市政記者らを招いて記者会見を開きます。「主婦だけで経営する佐賀発のスーパーマーケット!安全で新鮮で良い品を安く提供して利益を社会に還元!」。ところが、翌朝の新聞では「有閑マダムのへそくり会社」と大々的に報じられます。佐賀県知事のもとに八百屋・魚屋・豆腐屋・牛乳屋はじめ生鮮食料品業者が数十人も押し寄せ、「生活に困らん女たちが商売の邪魔をするのはけしからん!」と猛反対。國枝は佐賀県下で青果はじめ魚・肉を取り扱う知人を訪ねてまわり、魚と肉と豆腐の協力店を見つけます。さらに國枝は橋を越えて久留米の青果市場に直談判、全国有数の野菜生産地である福岡県三瀬郡の新鮮で安い野菜・果物を入荷します。ようやくこぎつけた開店日には200人をこえるお客が列をつくります。
「食品マーク」
生鮮食品はじめ日用品・文具・菓子を並べ、市販より1割以上安く、目玉商品はさらに安く販売。さらに、有害食品と過大表示商品を排除するために食品マーク付け運動を実施。信号になぞらえて赤「おすすめしかねます」・青「おすすめします」・黄「普通」シールを全商品に張り付けます。100種類以上の添加物を調べあげたり、チューブのワサビまた辛子を計量したり、お茶また昆布だしを飲み比べたり、主婦目線で選定すると消費者からは大好評を得るも、業者はじめマスコミから猛反発を受けます。全国的に論争を巻き起こしながら店の取り組みが話題となり、初日の売り上げ60万円から平均日売上35万円と、5年で軌道に乗ります。1割配当と商品の袋詰め、1年に1回のバス旅行、有害食品追放・省資源運動などに取り組みながら、気心の知れる女性知人を対象に株主を募って約100人で資本金1億6000万円に増資。住宅地を中心に30余りの小型店舗を拡充、市街地に深夜営業の大型店舗を建設、惣菜・もやし・カイワレ・漬物の自社工場を整備、消費者問題を扱った『主婦の店新聞』を刊行して売り上げを伸ばしながら、女性による女性のための店づくりに邁進します。
-『肥前おんな風土記』(豊増幸子 著 / 佐賀新聞社1976)
-『風車と共に : 主婦の店運動25年』(主婦の店スーパーマーケット全国チェーン25周年記念誌編集委員会 編 1982年)
-『2020 AIM (82)(84)』(オフィス2020 編1992年)
-佐賀県立佐賀城本丸歴史館
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