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Happy Women's Map 京都府京都市 ブラジル文化勲章を受章した日系ブラジル人美術作家 大竹 富江 女史 / Japanese-Brazilian Artist Awarded the Brazilian Cultural Order, Ms.Tomie Ohtake

-Tomie Ohtake Institute

「全てのものは宇宙と調和している。芸術家の役目はそれを見つけ出すことです」
"Everything is in harmony with the universe. The artist's role is to uncover it."

大竹 富江 女史
Ms. Tomie Ohtake
1913 - 2015
京都府京都市 生誕
Kyoto-city, Kyoto-fu

大竹 富江 女史はブラジル文化勲章を受章したブラジル移民1世の美術作家。50歳から幾何学模様と色彩、動き、平和の心を組み合わせながら、ブラジルはじめ世界の展覧会で活躍し始めます。ブラジル史上初の女性大統領ジルマ・ヴァナ・ルセフからブラジル文化勲章を受章。
Tomie Ohtake is a first-generation Japanese-Brazilian artist who was awarded the Brazilian Cultural Order. Starting at the age of 50, she began to make her mark in exhibitions around Brazil and the world, combining geometric patterns with color, movement, and a spirit of peace. She was awarded the Brazilian Cultural Order by Dilma Rousseff, the first female president in Brazilian history.

「空気が黄色いブラジル」
 富江は京都で材木商を営む両親のもと、6人きょうだいの末っ子として誕生。幼いころから絵が好きで、京都府立第二高等女学校(現・京都府立朱雀高等学校)、同志社大学文学部と進学しながら、クレヨンや水彩で具象画を描き続けます。女流画家が活躍するのを憧れの目で見つめます。23歳の富江は「どうしても行きたい。1年で帰るから。」ブラジルに移住してタクシーの運転手で生計を立てていた4番目の兄を頼って、満州で新聞記者をしていた5番目の兄と一緒にブラジルのサントスに渡ります。「空気が黄色い!」ブラジルに降り立った富江は色と明るさに打たれます。兄たちと貿易商を営み始める中、まもなく日中戦争が勃発、5番目の兄は徴兵されて帰国、富江は4番目の兄の友達と結婚してリオで暮らし始めます。やがてブラジルも太平洋戦争に参戦、サンパウロ州の内陸部に設けられた強制収容所に収容されます。大戦が終結してまもなく解放されるものの、全資産を没収されます。日本のポツダム宣言受諾後も、多くの日本人移民や日系ブラジル人は日本の敗北を信じず、日本人移民および日系ブラジル人社会が分裂。「日本にはもう帰れない。ブラジル人になりましょう」富江は子供たちを日本人が一人もいないキリスト教系学校に通わせます。家事に子育てに軍事政権下でのデモに奔走するかたわら、毎月日本から「美術手帳」「アトリエ」などの雑誌を取り寄せては熱心に読みます。

「リベルダーデ」
 38歳の富は、三岸節子の夫・菅野圭介のサン・パウロ個展を見に行きます。「私も描きたい!」ギャラリーに滞在していた菅野氏は「子供なんて放っといても成長する。好きな仕事をしなさい。」息を強くした富江は、早速翌日に絵具とキャンパスを買い求めて描きはじめます。富江は子供たちに宣言します。「もう大きいのだから自分で考えて、自分が良いと思うように生きなさい!」菅野氏を自宅に招いて、知り合いの主婦を集めて絵画教室を始めます。3か月の間に、静物デッサン、裸体デッサン、サントス港への写生などを学びます。所属する日系画壇「聖美会」では間部学や福島近らブラジル抽象画家らが活躍し始めます。富江も抽象画に惹かれて描き続け、サンパウロの近代美術館で10数点の小さな個展を開きます。評判になって、他の美術館の展覧会に出展したり、大きな作品を油絵で描くようになり、海外の美術館に出展するようになります。最初は白と黒そしてベージュなどの色の無い作品から、四角や円いろんな形がはっきり出てきて様々な色を使うようになります。海に浮くオブジェや、高速道路のオブジェ、ビルの壁画を手掛けます。富江は「リベルダーデから遠い」閉鎖的なコロニアからブラジル社会に進んで分け入り、有名無名の若手ブラジル人アーティストの展示会に顔を出したり、日本人がブラジル美術界に入れる窓口を作ります。

-Tomie Ohtake Institute
-『日系新聞』2021年11月20-28日
-『海外移住 9月(595)』(国際協力機構2000-09)

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