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3分に要約『MMTが日本を救う』by森永康平

最近聞くようになった「MMT」という言葉。「自国通貨を発行できる国は破綻しない」という尖った主張が気になっている方、ランダル・レイ氏の厚めの本に手を出す程の時間がない方にこの新書をお勧めします。
著者は1985年生まれ、明治大学卒、証券会社でのアナリスト等を経て、金融教育ベンチャーのCEOを務め、父親はエコノミストの森永卓郎氏。

MMTが日本をすくう

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■■要約 (ほぼ引用)■■
■MMTとは何か
・MMTとはModern Monetary Theory(現代貨幣理論)。これは貨幣の理論であり貨幣とは何かという話。そこから政策提言に派生している。
・MMTは商品貨幣論を否定し、信用貨幣論を主張。これまでは、物々交換の不便さを解決するために基軸となる商品を貨幣として使うようになったと、金や貴金属などの価値ある商品貨幣を使ってきたと説明。しかしMMTではこれを否定し、通貨とは借用書だと捉える。全ての人々が信用する借用書(負債)が貨幣として流通するという信用貨幣理論。貨幣の創造はいかなる場合も信用の追加(負債の追加)という形で為される。貨幣創造は経済活動の結果であり、貨幣量操作が経済に影響を与えるというマネタリズム的考えを、因果が転倒していると批判する。

モズラーの名刺の逸話
・子供たちへ「月末までにお父さんの名刺30枚を持ってこないと家から追い出す」と宣言 → それまで子供たちが見向きもしなかったお父さんの名刺に価値が生まれる → お父さん=国、名刺=貨幣、子供たち=国民、の比喩 → 名刺を納めるよう指示が加わることで、何の価値もない名刺(不換紙幣)を子供たち(国民)が喜んで受け取るとる理由がわかる。
租税が貨幣を動かす
→ 政府が租税を必要とするのは歳入のためではなく、貨幣の需要を創造するため。
スペンディング・ファースト
→ 国が最初に支出をしてその後徴税する形で貨幣を回収。

自国通貨を発行できる国は破綻しない。
→ 自国通貨建てで支出する能力に制約はなくデフォルト(債務不履行)に陥るリスクもない。(→ ただし1998年のロシアや2012年のハンガリー等デフォルトした例はある。)
万年筆マネー(キーストロークで通貨預金を創造)
・兌換紙幣と不換紙幣(ババ抜き貨幣理論
・紙幣印刷がハイパーインフレを引き起こすわけではない。
ストック・フロー一貫モデル
 → 誰かの黒字は、誰かの赤字。
負債ピラミッド

・3つの悪い税
①社会保障税: 会社が従業員の半分を支払う仕組みのためロボットを雇うインセンティブが働くから。
②消費税:モノやサービスを購入し生活の質を向上させることを阻害するから。
③法人税:企業の意思決定を歪める可能性あり。目先のことを考え損金算入できる尺遊金の支払利息のために、借り入れたりしてしまう。

■MMTの政策
・ジョブ・ギャランティー・プログラム

■参考:本書以外のMMT解説本
・『図解ポケット MMTのポイントがよくわかる本』by中野明 → 図が多くて読みやすい。
・『MMT現代貨幣理論入門』by L・ランダル・レイ → MMTの第一人者が書いた厚めの本。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。ぜひ本書を読んでみてください。



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