感想&メモ『子どもの脳を傷つける親たち』by友田明美
おすすめ本の感想と要点メモです。
特におすすめなのは、子育て中の親、心の病と向き合うあなたです。
■感想■
本書は、NHKプロフェッショナルにも出演した著者の友田氏が、虐待(≒マルトリートメント)を受けた子とそうでない子の脳のスキャン画像を比較していて、マルトリートメントを受けた子の脳が大きく委縮していたのは衝撃的だった。子どもの脳はマルトリートメントからくるストレスに対し、自己防衛反応として委縮したり肥大したりするとのことで、本書は子どもの年齢やその内容によって、影響を受ける脳の部分が異なる点を分かりやすく説明してくれる。
子どもの前での夫婦の激しい口喧嘩が、子どもの脳の視覚野を約20%委縮させる、というのも驚いた。また、子どもと積極的に使いたいコミュニケーションや、避けるべきコミュニケーションの具体例は、親にとって参考になった。
■要点メモ (ほぼ引用)■
■マルトリートメントの例と脳への影響
・マルトリートメント=子供への不適切な関わり
・2003年にハーバード大学で、18~25歳の米国人1500人に聞き取り調査した結果
体罰を受けたグループ
・6~8歳ごろの体罰は、最も大きく脳へ影響する。
・前頭前野(内側部)の容積が19%小さい。前頭前野(背外側部)の容積が14.5%小さい。これは感情や思考をコントロールし、行動抑制力に関わる部分。
・右前帯状回が、17%減少。これは集中や意思決定、共感に関わる部分。
性的マルトリートメントを受けたグループ
・11歳までに被害を受けると脳への影響が大きく、被害を受けた期間と脳の容積減少には明確な相関関係があった。
・視覚野が、8%減少。視覚野のぼうすい状回が、18%減少。これは視覚的な記憶容量となる部分。
DVを目撃したグループ
・11~13歳でDVを目撃すると、視覚野に最も悪影響が出る。
・身体的DVを目撃:視覚野が約 3%減少
・言葉のDVを目撃:視覚野が約20%減少
■子供へ使いたい/避けたい3つのコミュニケーション
■本書籍以外からの補足情報■
「ご褒美であるお金」をあげたときの線条体活動(著者記事へリンク)
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。ぜひ本書を読んでみてください。
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