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4分に要約『21Lessons』(人生の意味)byユヴァル・ノア・ハラリ

イスラエルの歴史学者で『サピエンス全史』の著者ハラリ氏が現在に焦点を当て21のテーマについて、どのように思考し行動すべきかを書いています。この要約では「意味」の章を取り上げ、人生の意味、ロマンス、アイデンティティ、ナショナリズム、信仰について取り上げます。

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■■要約 (ほぼ引用)■■
■20章:意味・・人生は物語ではない

「私は何者か?」「人生の意味とは何か?」という問いに対して人は物語を語ってもらうことを期待する。現実とはいったいどういうものか、宇宙のドラマの中で自分がどのような役割を果たすのかを説明してくれる物語を欲しがる。その物語のおかげで何か自分より大きいものの一部となり、自分の選択や経験に一切の意味が与えられる。

■ディズニーの『ライオンキング』
・大きな命の輪。全ては結びついており、誰もが他の全ての者に頼っている。食物連鎖と、命を次の世代へ引き継ぐこと → 循環する物語として、宇宙のドラマを提示する → その中での自分の役割や義務を定める真のアイデンティティがあることになる。

・物語が人生に意味を与えることができる2つの条件
条件①:私へ役割を与える。
条件②:物語が無限の彼方まで続く必要はないが、私の地平の外まで続いていること。

・人は特定の物語を信じると、その範囲外のものは目に入らなくなる。

■人生は果てしない叙情詩的物語という考え方の問題
問題①: 自分の個人的な物語を引き延ばしても意味深いものにはならない。→ 仏教やヒンドゥー教はメリーゴーランドで回り続ける方法ではなく、そこから降りる方法を見つけることに努めた。
問題②: 前世の証拠の乏しさ。魂、霊、来世。→ 来世を信じない人は、何か実体のあるものを残そうとする。生物学的なもの(子供)と文化的なもの。→ 今から100年後に私の詩を読むのなら子や孫が生きているなら私の人生には意味がある。では子や孫の人生の意味は?→ それは本人たちの問題であり、私の問題ではない。

■ロマンスという物語
相手のことが無限に思え喜んで無我夢中になる。本当に恋していたら人生の意味に悩むこともない。ロマンスの物語を信じていてまだ恋をしていなかったとしても自分の人生で目指すものは分かっている。運命の人と出会うことだ。

■屋根の重み
・個人のアイデンティティは自分たちの集団の制度や機関も物語の上に築かれている。
・人とは自分がカモにされたことは認めたがらない。
・ほとんどの物語は土台の強さではなく屋根の重みでまとまりを保っている。キリスト教など巨大でグローバルな制度や機関がその物語の上に築かれその重みが圧倒的な力でのしかかっているため維持されている。

■信仰創出業
物語を信じるために、儀式/国旗/国家/犠牲が虚構を現実に変える。

■アイデンティティのポートフォリオ
・1つしかアイデンティティを持っていない人は稀だ。例えばイタリア人&社会主義&カトリック&夫&父&科学者&ベジタリアン。アイデンティティのいくつかの義務同士が衝突することもある。
・狂信的な主義や宗教は人は一つの物語だけ信じるべきだ、アイデンティティは一つしか持ってはいけないと断言する。
ファシズムが現れるのはナショナリズムが他の一切のアイデンティティと義務を否定することで楽をしたがる時だ。これは極めて魅力的で多くのジレンマを単純化してくれるだけでなく自分は最も重要で美しいもの、すなわち祖国に所属していると考えさせる。

■自由主義/自由意志は宇宙のドラマを否定する。筋書きを生み出すのは人間の責務。
宇宙に何の意味もなく人間の感情にも意味はない。感情は宇宙の物語の一部ではなく人間の感情にも意味はない。感情は宇宙の物語の一部ではなく、目的なく現れては消える儚い揺れに過ぎない。
・私たちの幻想の自己はとても視覚的であるのに対し、本当の経験は身体的である。

■最後に
・人類が直面している大きな疑問は「人生の意味は何か?」ではなく「どうやって苦しみから逃れるか?」だ。
・虚構の物語を全て捨てるとはっきり現実を観察できる。
・自分と世界の真実を知ったなら何があっても惨めになることはない。
・この世界や人生の意味や自分のアイデンティティについての真実が知りたければまず苦しみに注意を向け、それが何かを調べるに限る。その答えは物語ではない。


以上、最後まで読んで頂きありがとうございました。ぜひ本書も読んでみてください。


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