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紀行文

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2015年2月の記事一覧

ベトナム航空と私(3)

ベトナム航空と私(3)

ニャチャンまでは、ホーチミンで国内線に乗り換えていく。
今回もベトナム航空利用。不安が全くないわけではない。でも、5年の歳月が我々を楽天的にさせていた。やつらも成長してるだろう。

長野県の自宅から成田空港までの道のりは遠い。
その手段の選択肢は、主に3つ。
①自分の車で行く
②新宿までバスで出て、成田エクスプレスで行く
③成田空港までの乗合タクシーで行く

①だと、帰国が深夜便で朝到着のフライト

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ベトナム航空と私(2)

ベトナム航空と私(2)

飛行機を降りると、雪国だった。

いや、嘘ではない。経由地のハノイは、南国そのものだったホーチミンとは気候がまったく違っていた。雪が降り、空港の地面にうっすら積もっていたのだ。信じられない、数時間前にはのんきにプールに入っていたのに。そんな思いで、空港内に入った。

トランジット手続きも、ホーチミンとまったく違った。入国審査のために、パスポートと搭乗券を見せろ、という。カウンターには4人くらい職員

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ベトナム航空と私(1)

ベトナム航空と私(1)

なぜか、ベトナム航空と相性が悪い。

今までに、ベトナム航空を利用したのは三度。最初は、夫とアンコールワットに行くために、ベトナムを経由するという形で使った。次は友達とのホーチミンへの二人旅。そして三度目は、2013年正月に、夫とベトナムのニャチャンへの旅行に使った。

最初の出会いから、ひどい目に遭った。アンコールワットへの旅。
最寄のシェムリアップの空港までは日本からの直行便はない。タイ航空利

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富士山(3)

富士山(3)

山頂はすぐそこに見えていた。
辺りもすでに明るくなり始めており、この先の道程がはっきりと見える。
暗闇の中、どれだけ進めばゴールなのか、自分はどこにいるのか、それすらも分からずに歩き続けてきた日々(実際には、9時間くらいね)ももうあと少しで終わるのだ。

しかし、焦る気持ちと裏腹に、人の渋滞で思うように進めない。
対立しつつも一緒に登っていたはずの我々も、この頃には混雑のせいではぐれてしまっていた

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富士山(2)

富士山(2)

富士登山で怖いのは、高山病だ。
どんなに登山の経験が豊富でも、高山病に罹ったら最後、山を下りなくては回復しない。私もそれが心配ではあったが、実は少しだけ自信もあった。
なにしろ、私たちは長野県の標高600メートルくらいの土地に住んでいる。ある意味、毎日高地トレーニングを積んでいるようなもの。若さも体力もない私が、唯一自信を持てる要素だったのだ。

富士山五合目で車を駐車し、高地に体を慣らすため、1

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富士山(1)

富士山(1)

富士山が世界遺産登録される、前の年の話。

会社の仲のいい後輩たちと「富士山に登ろう」という計画が持ち上がった。というか、Mくんが登山愛好家のSちゃんに、「おい、富士山登りたいから、連れてけよ」と命令したことから始まった、んだと思う。当時から彼らと仲良くしていたものの、別の支店だったので、正確な発端は分からないが、話を聞いてすぐ、私も行きたい!と手を挙げた。

大学生の頃、高校時代からの友達と計画

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