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マラッカで食べた美味しいものの記録

食事は旅行の楽しみのかなりの部分を占める。マレーシアは、中華系、インド系、マレー系と様々な食文化が混じり合っていることもあり、味が複雑で飽きることがなかった。なかでも、ニョニャ料理は、中国から渡ってきた男性とマレー系の女性が結婚し、その子孫が育んだ食文化であり、マラッカらしい料理と言えると思う。正しいかはわからないが、ニョニャ料理、ポルトガルの影響を受け継ぐクリスタン料理、その他のローカル料理、に分けて記録してみる。

1.ニョニャ料理

今回、ニョニャ料理を3つのレストランで食べた。ブルドックカフェ、ワイルドコリアンダー、マニスJである。どれもガイドブックに載っている有名なお店で、中心街から歩いていける。

ブルドックカフェはかなり綺麗で都内にあるお店と変わらない雰囲気。少し高いがビールを1人3本飲み、お腹いっぱい食べて2人で6000円ほど。日本語メニューもあり、まだ勝手のわからない初日や少し疲れてきた終盤にもおすすめ。観光客向けなのかもしれないが、私はこの店の味が1番好きだった。特にパイティーという前菜は他のお店と食べ比べをしたがここが1番美味しかった。一皿のポーションが小さいので、少人数でも色々食べられるのもよかった。

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ワイルドコリアンダーは、スパイスの使い方が素晴らしく、煮込み料理が絶品だった。中華よりはインドの要素が強め。ロジャというフルーツや野菜をスパイスの効いたタレで和えたサラダのようなものは、甘さと酸味とスパイスのコンビネーションに異国情緒があり、なかなかない味わい。盛り付けやお皿が色鮮やかなのも楽しい。お店のインテリアも素敵で、マラッカらしい雰囲気。ポーションは大きめ。2人だと3〜4皿でお腹いっぱいになる。カラフルなごはんといくつかのおかずから成るプレートがあったので、ランチにも良さそう。お店は中心街から近く、マラッカらしい細長い建物で入り口は通りに面しているが、店の奥はリバービューだ。価格はリーズナブルでビール1人2本で、2000円くらい。

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マニスJは、団体客も受け入れる割と大きめのお店。中華系の団体さんがワイワイお食事をしていて少し怯んだ。(動揺したのか間違えてその団体さんの1人にビールを追加注文してしまったが、笑顔で厨房まで伝えに行ってくれた。この後に及んでつまらない差別意識を持ち続けていた自分を恥じた。)

3つの中ではお店の雰囲気が一番中華料理屋さん的。回るテーブルがある。おすすめしてくれた春巻きが挽肉入りでとても美味しかった。メインをお魚にしてみたが私は少しだけくさみを感じた。夫が美味しい美味しいとほとんど1人で平らげたので好みの問題かもしれない。空芯菜炒めは出汁が効いていて、ごはんが止まらなくなる味。あれもこれもと頼もうとすると、多すぎると止めてくれた。おすすめの春巻きとオタオタという白身魚のすり身の蒸しものをどちらにするか決めかねていたら、数を減らして2つを盛り合わせにしてくれた。ここも人数が多ければ更に良いかも。値段は魚が高級だったこともあり、ビール1人1.5本で5000円くらい。

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2.クリスタン料理

かつてはポルトガルに支配された歴史をもつマラッカ。ポルトガル系住民によって、その食文化も受け継がれているらしい。日常の食にはあまりその影響は感じられないが、老舗のマジェスティックホテルにあるThe Mentionというレストランで、ポルトガル系女性シェフが作る"クリスタン料理"が食べられるらしい。

国内観光客で、街中の混雑が予想される土曜日に、このレストランを予約しておいた。日本からメールで席だけを予約し、承りました!と返事をもらっていた。失礼のないように、少しドレスアップをしてホテルに向かい、レセプションでレストランを予約していることを伝えると、何やら動揺した雰囲気のスタッフ。なんでも今夜は"クリスタンナイト"というイベントを開催しており、メニューは1人150リンギット(約4500円)のコースのみ。「こちらにJoinしますか?」とのこと。Joinするも何も予約してるんだけどと思いながら、Joinすると回答し、席に案内してもらう。予約が取れていなかったのか、クリスタンナイトの開催が急遽決まったのかはわからなかったが、コースがあったら頼もうと思っていたので、結果的には問題なし。予約の際はメールでの再確認が必要かも。スイスのチロリアンのような衣装を着たスタッフが温かく迎えてくれた。レストランの雰囲気も、コロニアル調で素敵。

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お料理はコースと言っても、前菜盛り合わせの後にはメインの卵料理、海老のココナッツ煮込み、白身魚のカレーソース、ナスとチキンのチリソース、デビルカレーが大皿でまとめて出てきて、テーブルでシェアするカジュアルなスタイル。クリスタンナイトに相応しく、ポルトガル民謡(ヨーデルにしか聞こえない)や踊りが披露され、楽しい雰囲気で頂く。お料理はとにかく美味しかった!やっぱり中華とインドの要素があり、トマトソースかと思ったらチリだったり、クリームソースというよりはカレーソースだったりする。ニョニャ料理との明確な違いは正直わからなかったが、あしらい?が西洋風。香りの良いピノノワールともよく合う。名物料理であるマングローブの実を使ったデビルカレーもメニューに含まれており、大満足。マングローブの実には毒があり調理にはとても手間がかかるらしい。毒があるからデビルカレーという名前らしいが、コクがあり複雑な味わいはさすが。デザートはパンダンの緑が鮮やかな目にも美しいミルクレープ。他ではなかなか食べられないクリスタン料理、とてもおすすめ。価格はホテルディナーであること、イスラムの国だからかアルコールが高いことが影響し、この旅で最高の2万円也(2人分)。でも、納得の価格だ。

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3.マレーシアのローカルな食事

最後にマレーシアのローカルな食事について。まずは有名なチキンライスから。シンガポールチキンライスが日本では有名だが、マラッカにもチキンライスがあり、ごはんが真ん丸のボール状にまとめられているのが特徴。一つ一つは小さく、5個で茶碗1杯分くらいの量。おにぎりのように手で作るなら手間だろうなと思ったが、機械で作っているとのこと。鷄の出汁がよく染みており、良いお味。水分多めでおこわに近いかな。チキンは別のお皿で出してくれる。骨付きの新鮮そうなお肉でガーリックが効いており、とても美味しい。どちらかと言うと、ライスよりチキンが美味しかった。砂肝等、モツもついてくる!見た目はかわいいが、個人的には、シンガポールチキンライスやタイのカオマンガイの方が好き。頂いたのは、Kddai Kopi Chung Wahという週末は行列ができるお店。たくさんお店があるので食べ比べしてみたらよかった。

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ごはんに好きなおかずを自分で盛り合わせるチャンプルスタイルのマレーシアごはん。Samudera Squareというマーケットの2階のフードコートの中の一件だったと思う。大皿にごはんを盛ってもらい(これくらい?って聞いてくれるので増減可能)、おかずは10種類くらいから自分で選んでのせていく。盛り付けたらおかずの種類や量を店員さんが目分量で確認し、メモに値段を書いて渡してくれる。魚、肉、野菜をのせて2、300円くらい。おかずはつゆだくで盛り付けて、ごはんと和えて食べると良い。優しい味わいの野菜と、スパイスの効いた肉や魚のバランスが程良く、いくらでも食べられそう。お米がパラパラしてるので、より、サラサラっといける。

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ここで飲んだAsam boiという飲み物も美味しかった!ライムと干し梅のような物が入っており、酸味と甘味がはちみつレモンのような感じ。暑さにバテた時に最適。また飲みたいと思ったが他では見つけられなかった。

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お米の次は麺料理。今回は2種類の麺を食べた。ひとつめは、Mee Siam。Meeは麺、Siamはタイのこと。麺はビーフンで、かまぼこのような具と小海老、卵などが載っている。酸味のある味が料理の名前の由来だが、本来は中華系の料理だそう。酸味のあるスープが別についてきて、かけて食べる。このスープ、見た目は辛そうだが、辛くはない。五目焼きそばに酢をかけるようなイメージ。お昼には遅いけど小腹空いたなって時や、暑さにバテ気味の時に、ぴったり。さっぱりとおいしく、ペロリと食べられる。

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もうひとつは、夕食後に心惹かれてつい、食べてしまった屋台のラーメン。地元の人で混雑していたのでチャレンジしてみたが、これが美味しかったー!麺は香港麺(海老麺)。具は青菜と豚肉でスープは少なめの和え麺スタイル。大が約180円、小が150円くらい。もともと香港麺が好きなのだが、麺の茹で具合、控えめだけどちょうど良い濃度のスープ。夫と奪い合うようにして食べた。Bunga Raya通りにあるMadam King'sという雑貨屋さんの側。屋台が2軒並び、屋台の後ろの倉庫みたいなスペースにテーブルとイスがあり、どちらの屋台で買ったものも食べることができる。

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最後はCendolというスイーツ。かき氷にココナッツミルクとココナッツシュガーのシロップと、緑色のニョロッとした餅みたいなのをかけた物。これはおいしい。なんと言っても、ココナッツシュガーのシロップの味が良い。特にマラッカで作られたココナッツシュガーは、グラマラッカと言われ、マレーシア国内でも有名らしい。賑やかなジョンカー通りに有名なお店があるが、とても混雑していたので、ヒーロン通りの静かなお店で頂きいた。ここでは、Mee Siamやラクサなどの軽食も食べられる。味も雰囲気も良くおすすめ。暑い昼下がりをのんびり過ごせる。他のお店でも食べたが、こちらの方が美味しかった!

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美味しかったマレーシアの食事。もっともっと食べてみたいものがたくさんあった。ホテルの朝食ブュッフェを食べ過ぎてしまったのが反省点。朝ごはんに良さそうなお店もたくさんあったので、朝食を付けずに、再訪したい。



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