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2014年 日本縦断キャンプツーリング 45日目

2014年6月6日 檜山~積丹

5時半に起きて7時すぎには出発した。鉄塔みたいなのが見えたので行ってみると、北海道夜明けの塔というのがあった。そこから少し離れた場所に駐車場が見える。なんだろうと思い行ってみるとキャンプ場という看板があり、炊事場やトイレがあった。昨日泊まったのはどうやらキャンプ場ではなかったようだ。

天気予報では北に行けば行くほど天気がよさそうだったので追分ソーランライン(R229)を使い海岸沿いを北へ向かう。途中にある親子熊岩の小熊がかわいくて、しばらく眺めてまったりしていた。R740に入って尾花岬の近くにあるトンネルを過ぎる。トンネルの中は手が震えるほど肌寒かった。せたな町でR229へ入り直し三本杉岩や茂津多岬に寄り道しながら北上していく。

途中で小雨がぱらついてきたので近くのお店でコーヒーとお菓子を買って雨宿りさせてもらった。ちょうど配達に来た宅配業者の方に声をかけられしばらく旅話をする。そうこうしていると雨は上がり、海岸の岩場を散歩していると日がさしてきたので、お店の方にお礼を言ってから北へ向かう。朝飯も食べずに走っていたせいか空腹に耐えかねて近くの食堂に駆け込んだ。大将が海鮮丼をおすすめしてきたのでそれを頼むことにして席についた。後ろから賑やかな声が聞こえてきたので振り返ってみるとテレビがあった。「うわぁ、テレビだ」と驚く私をみて大将が驚いていた。いやぁ、久しぶりにテレビを見て不思議な感覚に襲われた気がした。なんと表現していいのか分からないけど、近代文明に触れたというか、なんというか、ありふれた日常のはずなのに・・・。気のいい大将でアワビとエビをサービスしてくれて、旅話をしたり地元の話しをして食事をすませた。昼食をお腹いっぱい食べたのは久しぶりの気がする。

空腹を満たしたあとは、風に煽られながら日本海追分ソーランラインを北上。しばらく走っていると後ろからバイクが一台ついてきた。燃料が底をつきそうだったのでガソリンスタンドへ入り、後ろから来たバイクを見てみると荷物をいっぱい積んだ旅人ライダーだ。彼も北へ向かっているということはまたどこかで会えるかも?そう思い給油をすませ北へ向かう。昨日買った食材を余らせていたので今日はそれを使おうと思い、買い出しはせずにキャンプ場を探した。盃キャンプ場へ行ってみたが冬期期間ということで水もトイレも使えない状態なので、近くにある野塚野営地へ向かうことに。

キャンプ場へ到着すると炊事場で食事をしている人がいた。東京から車で旅に来ている方で北海道は一通り行ったので今から帰るところらしい。キャンプ場の下見がてら食事をしに来てみたとのこと。旅話をしながらテントを張っていると大量の虫に襲われる。ブヨという虫らしいけど、目の前にまとわりついてうざったい。彼が去ったあともブヨと格闘しながらキャンプの準備をしているとガソリンスタンドで見かけたバイクが駐車場へ入って来た。福岡からハンターカブで来たライダーで、フェリーの時間は違うが私と同じ5日に上陸したらしい。話に夢中になってしまいテントを張り終えるころには日が暮れてしまったので、炊事場にある電気を頼りに夕食を済ませた。昼間のテレビのことを思い出しながら、電気の灯りというのも、もっと驚いていいことなのかもと思ってしまった。

中世史跡公園
北海道夜明けの塔
親子熊岩(小熊がかわいい)
三本杉岩
アレウト号慰霊碑
窓岩
獅子岩
茂津多岬
のみくい処 天
どこかの灯台
風車と神社
野塚野営地

あとがき

この日のテレビを見たときの衝撃が未だに忘れられない。非日常が日常となっていて、ごくありふれた日常が非日常として体感していた気がする。今でもたまに、ごく当然としてある日常にふと感謝することがあるような。

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