魔法の言葉
小学5年生の時の担任の先生のことは今でもなお鮮明に覚えている。私は子供の頃からそれなりに器用で大抵のことは人並みにできる方であった。体育の授業で跳び箱を飛ぶことになったが、だんだん、段数が増えていくと、とても高くて、飛べないかな?とか、飛んだ先に降りる恐怖が頭によぎり飛べなくなった。何度飛ぼうとしても跳び箱の上に尻餅して座ってしまうのだ。そんな時に担任の先生がかけてくれた言葉。「ここ(跳び箱の上の先の方)に爆弾があると思って飛んでみな~」飛ぶ前に私はそれをイメージして飛ぼうとした。走って行き、跳び箱の上に両手をつき、開脚し跳躍、その瞬間、(先生が跳び箱の上の方にいて)「ほら、そこに爆弾があるぞ~、飛んで!」私は心の中でエイヤッと思って跳んだ!そして、跳べた。「○○跳べたな~すごいぞ!」と誉めてくれた。私はこの日のことは今でも忘れず鮮明に覚えてる。小さな成功体験。子供に分かるようなイメージングと出来たら誉める。このような魔法な言葉をくれた人は皆さんにはいますか?
この担任の先生との交流で忘れられない体験がもうひとつ。ある日、先生が「ラグビーしたい人~?ラグビーしたい人は教えてあげるから、放課後、運動場に集合!」
好奇心旺盛の私は迷わず参加した。ラグビーって男子がやるものと思っていたし、実際はどうやってやるかも分からないし、こんなチャンスは二度とないと思って参加。(実際、こんなチャンスは二度とありませんでした)
タックルの組み方からボールの運び方、ボールの蹴り方など、一通り教えてもらったあと、試合するところまで習いました。とても楽しく、転校する小学6年生のはじめまで続けていました。女子も数人いて一緒に続けていたのですが、女子の皆が口を揃えて言ってたこと。「これ、胸とても痛いわ~女子にはあかんなぁ~(関西弁)」男子も女子も混ざっての試合だったので、ボールを持ってタックルをするので、ラグビーをしたあとは、自分を含め皆、胸が痛くなっていました。ラグビーボールは小学生にとっては硬かった。でも、この硬いボールが正しい蹴り方を身につければ、小学生でも遠く高く飛ばせるのです。この魅力に取り憑かれて、ラグビーを続けていました。実際やってみて、ラグビーは女性にはあまりおすすめしないスポーツです。成長途上の女の子が胸に危険を感じたものだから。全てのスポーツが男女共通でできるものではないと身を持って感じたスポーツです。
子供の頃から男女平等という言葉はありましたが、自分も男子だけではなく、女子もできるのではないかと思い参加したスポーツ。
子供ながらに、男子であろうと女子であろうとやれることをやればいいんじゃあないかと思っていたのを思い出しました。(今もそう思ってる)
小学5~6年の間、担任の先生のおかげで、他にもいろいろ経験させてもらい忘れられない思い出がたくさんあります。
転校してからその先生に会うことはなかったのですが、今でも感謝を伝えたい先生です。
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