小学校英語をどうやって教える? ~科学的に考えた効果的な教え方~ 第4回【もしあなたが小学校の先生で英語が苦手なのにいきなり教えて下さいと言われたら その1】

 第4回目は小学校段階での英語の読み書きの指導方法について書く予定でしたが、小学校の先生方から「基本的な英語力がなくて困っています・・・」という声をたくさんいただいたので、今回は小学校の先生向けの効果的な英語トレーニング法について書いてみたいと思います。

【もしあなたが小学校の先生で英語が苦手なのにいきなり教えて下さいと言われたら】
上のタイトルのような状況ならば、今すぐ鍛えるべき必要な力は①スピーキング力 ②語彙力 になってくると思います。
こどもたちは主にインプット(聞く活動)を通して英語を学んでいくからです。また、こどもたちの「思っていることを英語で言いたい!」気持ちを手助けするために、「これなんて言うの?」と聞かれた時にパッと答えられる語彙力が必要です。

では、①スピーキング力 ②語彙力を鍛えるためにどんな練習をすればいいのでしょうか。

①スピーキング力アップのために
 第2・3回でも書きましたが、インプット不足なのにアウトプットすると変な言語の形が身についてしまうことがあり、おすすめしません。まずは一定量のインプット(今回の場合はリスニング)が必要です。

 そのリスニング内容も自分の興味があり、8割程度は理解できるものが理想的です。例えば好きな有名人のスピーチなどはとてもいい言語材料です。日本語・英語字幕があるものが好ましいでしょう。
中学生の生徒さんで留学などはしたことがないのにとてもきれいな発音で話す女の子がいました。彼女に勉強法をたずねると「好きなアーティストのインタビューやスピーチをYouTubeでたくさん見ている」とのことでした。
例えばテイラースウィフトの英語はとても聞きやすいです。日本語・英語字幕がついているものが多いのでおすすめです。私自身はスティーブジョブズやオプラウィンフリーのインタビューやスピーチをよく聞いています。

そしてリスニング内容を聞くときには 
1)どんなことを言っているのか内容を理解する 
2)英語のスクリプトを見てどんな英語を使っていたのかを確認する(余力があれば、自分で聞き取ったものを書き取る練習がとても効果的です。この練習方法をディクテーションといいます。)
3)もう一度聞いて内容を確認する
4)意味を考えながら音読(リピートやシャドーイング)をしてスラスラと英語が言えるようにする

のが理想的ですが、余裕がなければ1)~3)だけでも構いません。

 次にスピーキング練習についてです。第3回でも書きましたが、手軽にできるのが「独り言」「日記」「会話」です。
 私も大学時代に日記を英語で書いていました。まずは一日に何をしたかを書くところから始めるとやりやすいかもしれません。初めて書くときにはうまく表現できずに「あーダメだ!」なんて思うかもしれませんが、実はこの葛藤がとても大事なんです。インプットだけでは、この葛藤が生まれずに「自分のできないところがわからないまま」になってしまいます。この過程があってこそ表現力が身につきます。うまく表現できない時は辞書やインターネットで調べてみましょう。
 また、英語でやり取りすることができればとても効果的です。身近に英語で会話ができる人がいれば理想的です。が、そういった人がいない場合は、例えば有名人の動画に英語でコメントしてみる、SNSで好きなものについて英語で発信してみるのもよいでしょう。

 ・・・とここまでスピーキング力アップの話を書いてきましたが、もしここまでの作業が面倒だ、ということであればですが、おすすめのアプリがあります。
リクルートから出ている「スタディサプリEnglish」の新日常英会話コースがわりと使い勝手がよいと思います。月額1980円かかりますが、リスニングの1)~4)のエクササイズがスマホ上でできますし、スピーキングの練習もできます。(リクルートの回し者ではありません!無料体験もできるので、もしよろしければお試し下さい。)

 長くなってしまいましたので、②語彙力アップのために は次回に続けて書きたいと思います。読んで下さりありがとうございました!

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