「自粛を求める」ことの意味合い

日本には「自粛を求める」という不思議な言い回しがありますね。ちなみに、英語や中国語にはどう訳すのか分かりません(笑)。
自粛を文字通りに解釈すると、自ら行動を慎むこと。なので、他人に自粛を求めるのは、論理的には破綻しちゃってます。にもかかわらず「自粛を求める」という表現は、令和になって急に生まれたのではなく、平成どころか昭和にもあったようです。

なぜでしょう?

AさんがBさんに自粛を要求し、Bさんが何らかの行動を制限したとします。自粛というからには、Bさんは自ら制限したという形になり、Aさんは(少なくとも形式上は)何も責任を負わなくて済む。

つまり、要求するけど責任は負わない、というのが「自粛を求める」という言い回しの構造だと考えます。

ちなみに江戸時代までさかのぼると「切腹を申しつける」というオソロシイ言い回しがあったようです。
自害を命令するって、よくよく考えるとヘンですよね。

拙者は自分で腹など切らぬ。この命が欲しければ殺しに来るがいい!と刺客を何人も返り討ちにした、有名な時代劇映画がありましたねえ。。

ネタバレを避けるため、映画の名前を書くのは自粛いたしまする。

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