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超ゴリゴリの更年期

更年期らしい。

やたらイライラするし頭痛はするし不眠だし腰も足もあちこち痛いとは思ってたけど、こないだから突然背中がカーーーっと暑くなってこれがあのホットフラッシュかとちょっと感動して婦人科でホルモン検査を受けた。

「立派な更年期やな」

数値を見ながら先生がうれしそうに解説してくれる。そんな認定もらってもうれしくないよ、先生。

治療するかと聞かれてお願いしますと答える。なにせ眠れないのがつらい。痛みも腰から始まって膝にいったり股関節にいったり色々動いてるようなんですけどこれも更年期なんでしょうか。イライラも果てしなくて夫に殺意さえ覚えてしまいます。こないだも心の中で言ってるつもりの罵詈雑言が声になってでていました。これも更年期でしょうか。そういえば仕事もやる気がでなくて机の上は書類が山積み、雪崩を起こす手前になっても整理する気が起きません。これも更年期でしょうか。一旦話し出すと出る出る、日頃の不安が一気にあふれ出す。

思い返せばこの数年ほんとにしんどかった。これが更年期障害か。本当に「障害」って感じ。生きていく上での障害になってる。高い高い壁。

体がいうことをきかないといろんな楽しみが半減する。でもやらなければいけないことは減ってくれない。なのでストレスが増える。イライラすると人間関係もうまくいかなくなる。悪循環。

更年期特集とかでよく見る記事。「更年期は幸年期。体がいうことをきかないならそれに合った生き方をしたらいい。だってそれが自然の摂理なのだから。仕事もセーブして周りの人の助けを借りて、無理せずのんびり過ごす時期なのです。今まで頑張ってきた自分をいたわりながらこれからの黄金期にむけてリラックスして準備をしていきましょう。」

そもそも仕事をセーブできたり周りの人が優しくフォローしてくれるような恵まれた環境の人がどれだけいるんだろう。こちとら原稿の締め切りに追われ、書類はよ出せとスタッフに怒りのLINEをおくり、二匹の犬を散歩に連れて行き、病気の犬の看病をし、猫のトイレを掃除しながら、え?眠られへんだけやろ?とのたまう無理解な夫に罵詈雑言をかましつつ今日もご飯を作らねばならん。世の更年期世代の大半は仕事に親の介護に夫との関係に、なんなら老後の資金問題にと激しく慌ただしく大変なのではないだろうか。

たぶん更年期は今までの生き方の総括だ。

自分の力だけを頼りにゴリゴリに生きてきた人間はそのゴリゴリが濃縮した感じで出てくる気がする。なので私の更年期は超ゴリゴリなのだ。でもそれでいいと思っている。私は私の人生がすきだし、この自力ゴリゴリをやめるつもりもない。くるなら来てみろ更年期、ゴリゴリに押しつぶしてやる。(もう来てます。そしてちょっと押しつぶされそうになってました)

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「治療法は色々あるけど狭心症の既往があるなら漢方がいいね。婦人科の漢方とかやわなやつじゃなくてイライラにフォーカスしたこれがいいんちゃう?」

先生がくれたのは「抑肝散」という漢方薬。イライラを鎮めて眠れるようにして筋肉のこわばりもとるらしい。漢方なんて効くんかいなと疑った自分を叱り飛ばしたい。そう、効いたのです。すごい漢方「抑肝散」のお話は次回に。


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