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いつもと違うゆうひ

歩いて5分。
お気に入りの、夕陽が見られる場所。
いつも、ひとりでぶらりと行くのが好きで、太陽が真っ赤になって、水平線に沈むのを眺めているのが大好き。
だけど、今日はなんだか無性に、
「この綺麗な夕陽が沈むスポットを、
一緒に共有したい」
そんな気持ちが湧き上がって、
思わずメッセージを送った。
「大丈夫だよ」って返事が来て、一緒に夕陽を見ることにした。
といっても、相手は画面越し。
それでも、「綺麗」って、言ってくれた。
「こんな場所が近くにあるんだ、いいな〜」って。
どこでもドアがあればいいな、ってどれほど思ったか。
そしたら、すぐに来てもらって、生の夕陽を見せてあげられるのにな。
ひとりで気ままに見る夕陽も好き。
だけど、画面越しだけど一緒に見る夕陽は、またひとしお違った。
久々に、近況を伝え合った。
といっても、私の近況を聞いてくれて、いろいろ共感してくれたり、アドバイスをしてもらったりするばかり。
何だか、申し訳ないくらい、聞いてくれる。
ずっとずっと、言ってくれている言葉。
「身体を大事にして欲しい」。
それは、今も変わらずに言ってくれている。
「あれだけ苦しんだんだから、もういいじゃん。」
そう。
あの一番苦しんだ時を知ってるから、そう言ってくれる言葉が、なおさら見にしみる。
ずっとアクセルを踏み続けて、ブレーキを踏むのを忘れる、私の悪いクセ。
それを、一番よく知っている。
だから、ブレーキを踏む事を、ずっと伝え続けてくれている。
「ありがとう」。
そう言って、1時間弱の会話を終えた。
画面を切る前に、言ってくれたひと言。
「Akiちゃんが頑張ってる姿を見ることで、自分も刺激を受けて頑張ろう、って思える。
だから、またこうして時々連絡取り合おう。」
そう言ってくれた。
「うん、そうだね」。
そう答えて、お互いに「ばいばい」って言って、
そうして、画面を切った。
いつも、まめに連絡を取り合ってるわけじゃない。
返ってくる返事のタイミングも、気まぐれ。
だけど、一番大事な時に、一番必要な言葉をくれる。
そんな微妙な距離感が、心地いいのかも知れない。
これからどうなるか、なんて分からない。
お互いの夢が交差するのか、それぞれの夢を追っていくのか、それも分からない。
けど、今はこの心地よさを、ただ感じていたい。

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