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5分間の握手の行く末

〈とつとつダンス〉の感想


以前から興味のあった〈とつとつダンス〉を、武蔵野で行うことが出来ました!!やってみて思ったことは、結論を最初に申し上げますと、私、文化人類学に興味あるかもしれない、というものでした。私は決してエリートでもインテリでもないため、詳しくはよくわからないのですが、フィールドワークって言葉にピンとくるのかもしれません。〈とつとつダンス〉がマレーシアやシンガポールで実施されたり、私自身も民族舞踊を踊ったりしているため、実際にいろんな場所のいろんなリアルな人、人間の非言語的コミュニケーションを観てみたい、と、漠然としたものが具体的な思いになったような気がします。まだ読んでいないのですが、美術手帖2024年7月号「先住民の現代アート」も気になります。夏休みの宿題~📚

ゆっくり歩く

7,8分かけてスタジオの隅から隅まで歩くというワーク。こんなにゆっくり歩いたことは、3月の「ジャワ舞踊からジャワ舞踊へ」のWS以外は、もちろん
ありませんでした。

民間のきれいなダンススタジオで、最初柔軟をしたりして、私は、「これは、思ったより激しく踊るのかもしれない。動きやすいけれどTシャツじゃなくオフィスカジュアル(午後から仕事だったため)に近い格好で大丈夫だろうか?」と思いました。

そのような環境の中で、ゆっくり歩く。音楽もないまま、だいたい皆が同じように無になって歩く。途中、向かいのスタジオでジャズダンスやクラシックバレエのレッスンに励む子供の姿が見えました。〈とつとつダンス〉は、ゆっくり横移動し、向かいのスタジオの人々は音楽(もちろんこちらは聞こえない)に合わせ上下に揺れ動く。すべて無音で対照的な動きをする様子が、まるで映画『バーニング 劇場版』(2018)に出てくるパントマイム教室のような雰囲気だと思いました。

ゆっくり歩くだけ?なのに、そこにはある種ナラティブ的な物語を感じました。ナラティブって意味間違っていたらごめんなさい、、「ゆっくり歩く」という、起承転結(ストーリー)の無い作品のように感じられました。何かいつもとは違うことが起こる予感。

5分かけて握手する

握手できませんでした笑。
すごい時間ある!と思って、手のひらを横に大きくスライドさせたり、手を振ってみたり、上下に動かしたり、と完全に余裕かましていたら、「残り1分」との声。え??と思い、私たちは慌てて距離を縮めますが、1分で急に距離を縮めると、時間が余ってしまうため、結局微妙な距離を保ったままでしたでした。「終了」と言われたときは、やっと手のひらを合わせた、くらいでした…。

握手しようと思ってできないことってあるのだと実感。距離感について私は、握手は象徴的なものに思えました。人と人が出会うとき、例えば学校の入学式とか、どこかのパーティーとか、飲食店で知り合った人など、大勢の人でにぎわう場所で一対一が出会って話をして、この人気が合うかもしれないと感じたとき(たいていはお酒に酔って気が合うかも、なんていちいち考えないですが)もっと話したいと思う。しかし、と急に現実的思考になる。私は明日も仕事がある、今日はここまでで帰らないと。そして後から後悔する、ちょっとくらい夜更かししてもよかったのに、、、同じようなことはなかなか起きないだろうに…。

というのが、5分間の握手に至らなかった私の感想です。すれちがい
4分間、楽しく会話をしただけ。1分で手のひらを合わせ、バイバイ。


ずれた会話、はじめての共同作業


あえてずれた会話をしました。
〈とつとつダンス〉に会話があるとは知りませんでした。とても面白かったです。

自慢ではないですが、私は日常的にずれた会話をしているため、なのか?
意図的に会話をずらすことは難しかったです。


「○○についてどう思いますか?」など真顔でいきなり何の脈絡もない話をされるのがおかしく、笑えました。

ペアになって手のひらを合わせて様々な方向に動かすというワークも行いました。
手を動かしているのは自分なのか、相手なのかわからなくなってきました。
共同作業をしていたのでしょうか?
向かい合っているのにもかかわらず、だんだん見えない壁を2人で作り上げているような感覚になりました。

ポリアンナ思考でいきたい

〈とつとつダンス〉を踊ってみて、全体的に私が感じたことは、人と人が出会うとき、ともに仕事をするとき、交流するときなどのコミュニケーションでは、どこかに言葉にできない分かち合いづらさがあって、日常ならマイナスな思考になってしまいます。ですが、〈とつとつダンス〉では、そうしたマイナスこそ、ポジティブにとらえていこうという気持ちにさせてくれました。

〈とつとつダンス〉が毎日、どこかでぽつぽつと点のように起こり、やがて線になり、面になったら、
社会ひいては世界(急にスケール大きくなった😅)にコミュニケーションの余白が増えるのではないかと思いました。

まずは初の〈とつとつダンス〉を記録してみました!
また、踊ってみたいです。



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