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警察の階級と話題の事件(2024.6現在)を照し合せると…

元警察官で、数回の転職を得て、現在はバス運転手をしている傍ら、講演講師として活動をしている者が、思ったことを書くつぶやきです。
私個人の見解であることをご理解の上、読んでいただけると幸いです。

鹿児島県警で元幹部警察官による情報漏洩事件について、全国ニュースになり、耳にした方もいらっしゃるかと思います。
【速報】不祥事隠蔽疑惑の鹿児島県警トップが疑惑を完全否定「隠蔽の指示を行ったという事は一切ございません」(FNNプライムオンライン(フジテレビ系)) - Yahoo!ニュース

警察の階級については、6月1日付の私のnoteをご覧下さい。
実際の警察の階級とテレビドラマを比較すると…|河野博紀 (note.com)

簡単に言うと、巡査・巡査長・巡査部長・警部補・警部・警視・警視正・警視長・警視監・警視総監・警察庁長官の11の階級があります。

今回の事件で、元幹部の方は在職時の階級は警視正です。
そして鹿児島県警の本部長の階級は警視長です。

警察と言う組織は、絶対的な階級社会なので、上の階級の方が偉いのは分かるかと思います。
今回の事件で出てくる階級の中で、警視正と警視長のどちらが偉いかと言うと、警視長の方が上の階級なので、警視長である県警本部長が偉い立場であります。警察本部長の役職をしているので、当然偉いんですけどね…。

警視正の立場である今回の者は、在職中に自分の考えを持っていても、上位の階級である警察本部長には逆らえない立場です。

今回の事件は、本部長より下の階級である警視正の者が、第三者に在職中に得た個人情報を第三者に漏らすという事で逮捕されました(簡単に言うとです)。
犯行動機等を、裁判所の裁判官の前で言ったことで、反響が大きくなったのではないかと思います。

情報漏洩はれっきとした犯罪であり、良くないことです。
報道で言われていることが、仮に本当だったとしても、第三者に漏らすのではなく、公益通報者保護法に基づき通報すべきだったと思います。
鹿児島県警で受理されなかったとしても、警察庁等上級組織に通報すれば、逮捕されることはなかったと思います。

マスコミ等は、元幹部の話が正しいのか、それとも本部長の話が正しいのか、どちらか正しいことを言っているのか知りたいと思います。
実際市民・国民も知りたいのはそこではないかと思います。

今の司法制度は、罪が確定するまでは「推定無罪」の原則があり、裁判で刑が確定するまでは、本当のこと(真実)は分からないということであります。
捜査中の案件について、推定で決めつけたり、またネットやSNSで誤った情報が流れて、国民に正しい情報が伝わらないのが恐ろしいことであります。
なので罪が確定していない状況の中で、裏が取れていない情報や推定の話で情報を伝えるのは、不用意に発言はしない方が良いかと思っています。

元警察官なので、元警察官しての見立てはどうなのかと思っている方が多いかと思います。
元警察官のコメンテーターの方が、テレビでマスコミや皆さんが思っていることを言わなかったことで、「警察擁護をしている」「歯切れが悪い」等とSNSで言っていました。私もおそらくこの方と同じ様なことしか答えられないと思います。
知りたい気持ちは分かりますが、今の法律制度等では不用意なことを言うと、今後の捜査の支障をきたすのはもちろんですが、人権問題等も絡んでくるので、刑が確定するのを待つしかないのが現実なのです

事件捜査とは別に、鹿児島県警による検証や警察庁による監察等が実施され、その結果を裁判とは別に早急に公表する必要はあるかと思います。
あと元幹部が逮捕された際の記者会見をはじめ、トップである本部長による説明や口頭による説明を早くすべきだったと思います。
この辺は警察の不祥事もですが、危機管理と言う面で説明不足の点はあったかなと思いました。

これを読んだ方も、この事件をきっかけに、誤った情報に惑わされず、正しい知識を身に付け、正しい情報を得て欲しいと思い、警察の実際の階級とあわせてまとめてみました。

こんな私は、講演講師としても活動しています。
警察官として在職中の体験談から、皆様のお役に立つ話をしています。
河野 博紀 - 一般社団法人日本刑事技術協会 (j-keiji.org)

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