シャブ中、仲間にばらされる

場所は西成。売人は西成から出ていけと看板されるほどかつては盛んな町だった。今はどうかというと大っぴらに薬を扱う売人はいない。そう、大っぴらにはだ。
彼らは地下に潜る。人から人へとあいつが売人であいつがシャブ中だと口伝される。
私はシャブ中だが周りには一切口外しない。それがどういうことかわかっているからだ。売人が近づき安いよと、モノがいいよとか巧みに使わせようとするからだ。
かつて、薬物リハビリ施設でともにした仲間に出会った。かれはアル中ももっており大変な身だ。かつてという言葉を使ったが、私は仲間だと思っている。
声をかけた
すると彼は言った。
シャブやらない?安く手に入るよ。と

私に勧めてきたのだった。
缶チューハイを片手に段取りをするという。

なあ酔っぱらっているんだろ。私はもう薬はやらないぜ。というと。そうだね、薬はやっちゃいかんよという。でも2,3分するとだれだれを介して買えるから安いよ。現金ある?と再び勧めてきた。

私はこの仲間をどうにかしたい、しかしこのどうにかしたいというのは自分のエゴだ。自分のこともママらならないのに彼を救う手立てはないと感じた。
酔っぱらいのオッサンどもと消えていった。私は心底無力を感じた。

私ができることは何だろうか。

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