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好きやねん大阪

歌い手は 浪花こゆき

我が家に 住み込んで

歌の勉強をした

言葉をキラキラキラと 輝かせ

唄うんだよ

みんなそれぞれ ふるさとが

遠いどこかに あるけれど

すきやねん大阪  大阪好きやねん

この街で この街で 生きていくんやもん

みんなこの歌が ごっつう 好きやねん



好きやねん大阪Ⅱ


夢を注ぐのか 嘘なのか

明日になるまで わからない

夜は悪意に 満ちている

なみだと教えずに 酒を注ぐ


あかときは 善意に満ち溢れ

眠りから 呼び起こす

楽しかった いい人だった

また逢いたい

夢追いグラス 破片となって

時折り 突き刺さる



芒|《すすき》


寂しいわけでもない

なにげなく 口ずさむ 船頭小唄

どうせ二人は この世では

花の咲かない 枯れすすき

よく見てね ねえ咲いているのよ

白い穂が 尾花なのよ

すすきは 風に託して 話しかける

風が届ける ええ そうだったんだ

  芒|《すすき》は 咲いて いるんだ



枯尾花


花は散るけれど

すすきは 散らない

よりそい 揺れながら

ゆらゆらゆら

冬を耐えて 春を待つ

恋の火が 燃えつくばかり 枯尾花

灰になるまで 恋をしてみたいものさ


難破船


朽ち果てし 夢茫洋

ふなむしが よちよち登る

砂浜に 難破船

一文字欠けた 北⃝丸

海の字か 洋の字か もしかして恋の字か

よしなよ 時化になる

翁の声に うなずきながら

家族に しあわせ あげたくて

師走の海を 踊りゆく船よ



大間港


取れば鮪は エビス様

津軽海峡 一本釣りの

若衆は 遠りょいらぬと 場所を取り

ゴメの鳴く声 追ってゆく

そこににとり 翁船

そっぽ向いて 西へ行く

恐山を 背に抱いて

仏ヶ浦から 龍飛崎

魚探はいらぬ 電気ショックは卑怯者



翁の一本釣り


烏賊|《いか》は 泳いでいるようにさすのさ

仕掛けは ひとつでいい

天蚕糸|《てぐす》は 切れる位でいい

生かしてやれ 細い糸でいい

おかげで今日も バラしちまった

三月半年 空|《がら》の船よ

すまぬをのんで 酒を流しこむ





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