自分史

ファーストオピニオンに月1〜2回のペースで通院。
パパの理解が得られた事を伝える。

また宿題が出る。
「自分史」を作って来る事。

自分史とは、生まれてからこれまでの中で、性別に関する思い出(嫌だった事、モヤモヤした事など)を年表のように作った物だ。

〇年〇月〇日   〇〇県〇〇市に生まれる
〇年〇月ごろ  〇歳  プリキュアに興味がなく仮面ライダーが大好き。
〇年〇月  幼稚園入園  制服のスカートを嫌がり、履かせても脱いでしまう。
〇年〇月 小学〇年生 自分を「私」ではなく「ボク」と言っていたのを同級生にオトコオンナとからかわれて泣いて下校した。

といった感じで書いていく。
大体普通のコピー用紙程度の大きさの紙2枚分程度におさまるように書く。

今後、治療を開始しようとする時、違う治療を開始しようとする時、毎回これが必要になる場合があるため、私とシンヤは共同作業でパソコンを使って入力し、USBに保存してプリントアウトもした。原本は必ず自分達が保存しておく。
USBはもう1つ用意して情報をコピーしておくと良い。病院に提出する時、USBごと提出すると病院側もパソコンに保存またはプリントアウトして後で意見書を作成する時に便利なようだ。

パソコンが使えない、自宅にない場合は紙に手書きでも構わない。
必ずコピーを取って自宅保存版を作っておき、病院に提出する。

自分史はまず私が枠組みとして書いていった。出生から物心つく前までは本人にも記憶がないが、親が見ていて今思えばコレってそうかな?と思うエピソードがあれば書く。
シンヤの場合は〇〇レンジャーが好きだった事やスカートを履かなかった事などがあった。

そこにシンヤに書き足してもらい、私の記憶が間違っている部分は訂正してもらう。
シンヤはパソコンで文字入力する程度であれば操作できたため、読んで確認して欲しいと言われない限りはノータッチで入力してもらった。
私に見られたくない思い出もあるかもしれないので。

最終的には「これでどうかな」と目を通す許可が出たので読ませてもらった。そこで初めて知る事もあった。


この「自分史」作成、かなりキツい。
嫌だった思い出をわざわざ思い出し、反芻しながら文字にしていく。忘れかけていた嫌な事が鮮明に蘇る。

シンヤはかなり我慢強くて頑張り屋な方だと思うが、自分史を書いた後はしばらく気分が落ちていて学校も数日休むほどダメージを受けていた。

自分史が診断と今後の治療、自分の本来の体を取り戻すために必要な事なのは理解した上で自ら取り組んだ。それだけの覚悟があっても我慢強い子であってもこうなる。

自分史を書く事になった場合、親が100%書くにしても子供から聞き取りをすると思う。(親の勝手な思い込みで書くのも危険)
どの程度子供に突っ込んで聞くのか、親の見解が間違っていないか確かめるのもどんな言葉を選んで聞いていくのか。
ダメージを受けた場合どんなケアができるのか。
自分史を書くように言われた場合はお子さんのメンタルの強さ度合いも含めて医師にその辺りを聞いてみてから取り組んでも良いかと思う。

幸いシンヤは数日学校を欠席したものの、その後すぐまた学校に行くようになった。
落ち込むのも早く深いが立ち直るのもなかなか早いのがシンヤの良い所だ。
辛いのに良く頑張ったな。

専門医の受診を重ねながら検査結果と自分史を揃える。リュープリン治療、早くやりたいが委員会にはいつ議題にかけてもらえるのか。

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