まひるの不登校

まひるはジャイアン的存在の意地悪な子とは別のクラスになり、仲良くしてくれた子と同じクラスになった。
しばらくは登校したものの、やはり限界が来て休むように。

登校していた時も、給食の時間は苦痛で午前中で早退していた。「一定量決められた物を残さず食べなければいけない」と自分で自分に勝手にプレッシャーをかけているようで、気持ち悪くなり飲み込もうとしても食べ物が喉を通過してくれなくなるらしい。

それは学校の給食だけでなく、外食でも同様だった。自宅は残してもラップして保存し次の食事で食べ切れば良い、自分で好きな量だけ取れば良い、残しても他の家族が食べてくれるから残して捨てるなんて悪い事をしなくて済む、という感じだろうか。

この外食ができないのは大変日常生活に支障があり、遠出できない、1日がかりの外出は昼食抜き、となる。本人は食べられないので帰宅または往復の車中でおにぎりなど食べるが、私が困る。私だけ食べるからまひるは食べずに同席する、という事ができない。レストランに一歩踏み込み食器のカチャカチャという音が聞こえた途端に気持ち悪くなってしまうので店に入れない。
私は食べたいので普通に腹が減るし、あまり食べながら運転するのは安全性の問題や食べこぼしても嫌なのでなるべくしたくない。結局1食抜きになってしまう。(だけど痩せないから余計問題!)

学校を休んで授業は受けていないし家でも特に勉強していないのに、定期テストは受けていた。前日の一夜漬けでどうにかしていたようだ。これも昼食がとれないので午前中だけで2日間かけて受ける。

主治医が言うにはテストだけでも受けようと行動してるのもまた、まひるなりに不登校と向き合って戦っているのだそう。

しばらく不登校だったが学校行事でホテルに行きホテルのお仕事を勉強して昼食にホテルのレストランでフルコースを食べるという物があった。これは行けないなと思っていたが、意外にもまひるは行くと言う。

ハッキリしないが動機はフルコースのデザートにチョコレートケーキが出るからそれだけは食べてみたいと話していたので、まひるを動かしたのはチョコレートケーキだったのかもしれない。

先生も私も当日の朝まで本当に行くのか心配だったが、無事に行って食事も完食とはいかないまでも気持ち悪くならずに最後のチョコレートケーキまで辿り着けた。

その後も行事がキッカケになって不登校から午前中登校になり、また行事が終わるとフェードアウトするように行けない日が増えて不登校、という波が続いていた。

そして中2の年末、先生と生徒の二者面談があり、そこで担任の先生に「来年は受験生、高校に行くと昼ご飯が食べられないと困るから今から少しずつ給食の練習をしてみませんか」と提案されたらしい。

学校の相談室を使わせてもらい、1人で給食を食べる。頻度や実施日は先生や相談員さんと話し合いながらまひるのタイミングで決めて良いとの事。

そう先生に言われたけど嫌だな、という話なのかなと思って聞いていたが、それも意外にやってみる、という結論の話だった。
12月、初回は体調不良でできず。日にちを改め仕切り直して1回目、登校前の朝から緊張しまくっていたが、何とか食べられて下校時間までいる事ができた。なんという進歩!

年内にもう1回給食を食べることができて年明けとなった。
主治医に報告するととても良く戦っていますね!と言われた。
私は何もしていないけど…と言うと、日頃一緒に出かけてまひるの希望していた舞台の観劇をしたり行きたい店に行ったりしているので、
「後々振り返った時にいつも隣にいてくれた、と思ってくれるでしょう、それでいいんです」と言われた。

あれしろ、これしろと命令するのではなく、話を聞いて一緒に出かけたり好きな物を一緒に楽しんだりしてそばにいる事が、家族だからこそできる事なんだなぁと再確認した出来事だった。

実際、まひるはいつの間にか自分で色々考えて午前中だけ行く、テストは受ける、宿題やってないけどとりあえず怒られるの覚悟で登校する、行事は出る、給食チャレンジしてみる、と色々決めて動けている。
急かさなくても本人が1番このままでいいのかな、と気にしてるはずなので、じっと待つ事といつも味方でいる事は大事なんだろう。


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