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#55 憂鬱を乗り越えて報告をしよう

 インシデントやトラブルが起きたとき、報告ちゃんとしていますか?

 自分が当事者の場合よりも、発見者の場合の方が報告しにくいですよね。特に当事者が先輩だったりすると尚更です。
 こういう出来事があったという報告をしたつもりが、当事者からチクった(告げ口した)と言われてしまうことも珍しくはありません。

 何かが起こったとき、怒られないようにとか、めんどくさいことになりたくないからとか、レポートを書きたくないからなど、いろいろな理由で隠そうとすることがあります。
 正直、全ての出来事を報告する必要はないと思いますが、絶対に報告しないといけない事項が、患者さんに関すること、スタッフに関すること、それぞれにあります。

患者さんに関すること
・その出来事が原因で患者さんの状態が変化したとき
・患者さんや家族からのクレーム
・患者さんの私物の紛失や破損

 患者さんや家族への説明や謝罪などの対応は、状況によっていちスタッフの対応では不十分なことがあります。その場は、スタッフやリーダーが対応することになっても、最終的に上司の耳に入れておきましょう。
 患者さんや家族から直接上司にそのことに関する話をされたときに、上司が知らないということで、ことが必要以上に大きくなってしまうことがあります。

スタッフに関すること
・スタッフの目に余る態度
  例:必要以上に休憩を取る、業務をサボる、業務態度が悪いなど
・スタッフ間の明らかな嫌がらせ
・スタッフによる職場の備品の紛失や破損

 これらは、スタッフ同士で改善することは難しいことです。そして、このようなことを行うスタッフは、上司に知られないタイミングで行為に及んでいるため、報告がなくては知る由もなく、対応もできません。
 役職者がどんなに努力をしても、全てを把握できるわけではありません。特に自分たちの不在のときに、現場で何が起こっているのか正直わかりません。ですから、報告もせず、上司を「状況を把握していない無能な上司」扱いすることは見当違いだということを知ってください。
 告げ口といった感覚ではなく、きちんと報告をしましょう。

 告げ口と報告の違いは、「人(この場合は当事者)」に非があるように伝えるか、事実を伝えるかの違いです。
 例えば、「〇〇さん△△しました」といえば告げ口ですが、「△△がありました。そのとき担当(対応)したのは〇〇さんだったようです」といえば報告です。

 そして、あなたが報告するときに感じる、気が重い憂鬱な気持ちを忘れないようにしましょう。あなたが報告される側になる可能性もあるからです。あなたのことを報告した相手も同じ気持ちを抱きながら報告しています。
 ですから、自分のことを報告した相手を責めるような態度は取らないようにしましょう。

 報告を受けた上司がどう対応するかにもよりますが、報告を無碍にしたり、報告した人が被害を被るような対応をしていたら、スタッフは報告しなくなります。そうしたら、その上司は自分で自分の首を絞めるようなものです。
 もしあなたが報告をして、不当な扱いをされたのなら、その職場にいる必要性を再考してもいいのかもしれません。

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