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心にギャルを

4月に入って、どんどん日が昇るのが早くなっている。家を出る早朝4時半、先月まで真っ暗の中出勤だったのに、今ではもうかなり空が明るい。4月になって、お偉いさんたちは移動したり、移動して来たりしてしばらくピリピリムードだったけど、私たちパートや下っぱ社員さんは相変わらず。増えてもいなければ、減ってもいない。いや、本当は65歳定年で辞めるはずの方々も、上に頼まれて人手不足で仕方なく居残りしてくれている。

一方私は時給が20円アップして、新たな仕事を任され、約2時間、隔離されたような場所で一人黙々と仕事している。覚えることは山ほどあるけど、覚えてしまえば単純作業なので、頭は自ずと色々なことを考えている。今日の予定。夜ご飯のメニュー。旅行に行きたいところ、昨日見たテレビのこと、さっきかけられた同僚からの言葉、などなど。

しばらくすると、私のイマジナリー同僚がムクムクと現れる。彼女は新人で、ギャルだ。派手な髪色で爪も長い。私は彼女に逐一仕事を教える。「え、マジっすか。これ全部っすか。ヤバ」「これ意味なくないっすか」「え、マジ無理」など、彼女は愚痴が多いが、でもやる気はあり、飲み込みも早い。素直で愛嬌もある。

・・・ふと冷静になると、そんなギャルは実際にこの世に存在していても、早朝郵便局の仕分けパートになんか来ないだろう。あるいは来たとしても、やる気のない怠け者で、寝坊で遅刻も多く、目も合わせてくれないギャルだろう。派手な髪色も長い爪も禁止だし。いや、そもそも私、ギャル苦手だし。

でも、心にギャルがいると、辛い仕事もちょっと楽しくなる。ライフハックとして、イマジナリー新人同僚にギャルを、どうぞ。

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