令和2年度 問2 解答作成方法解説と解答例

設問

次の文章を読んで、問 1、問 2 に答えなさい。

 集団が意思決定する方法としては、①単純多数決によって行われる方法がある。選択肢の中で各メンバーが推すもの1つに投票し、最も多かったものに決定するという単純明快な方法である。この方法は 日本の地方自治体の首長選挙や衆議院選挙における小選挙区などで行われている。
 また、別の方法として、②決選投票付き多数決というものがある。フランスの大統領選挙などでは、有効投票の過半数を獲得する候補者が存在しなかった場合、2 週間後の 2 回目の投票で 1 位・2 位候補者の決選投票を行って大統領を選出している。この方法は他にも衆議院・参議院で行われる内閣総理大臣の指名選挙にも用いられている。
 さらに別の方法としては③ボルダルールと呼ばれる投票方法がある。これは選択肢が 3 個ある場合に、 各有権者は「1 位に 3 点、2 位に 2 点、3 位に 1 点」と加点して、最も多くの得点を集めた選択肢が勝つというものである。この方法は日本のプロ野球の最優秀選手(MVP)を記者の投票で選ぶとき(この場合は 1 位に 5 点、2 位に 3 点、3 位に 1 点であるが)や国際サッカー連盟(FIFA)の年間最優秀選手賞を選ぶときに行われている。
 
 図 1 は、あるクラス(日比谷高校ではルームと呼ぶ)が文化祭の演目を決めるときにとった希望順位である。それぞれの席に表されているものは、希望する演目の 1 番から 3 番までの個人の希望順位が表され、投票が行われる場合は、その通りに投票が行われることとする。

 なお、図 2 について、Aで 6 人と表されているのは、図 1 で 1 位を桃太郎、2 位をアニー、3 位をレ・ミゼラブルとした人が、6 人いることを示している。図 2 下段、ボルダルールでの順位付けは、Aにおいて、桃太郎 18 点、アニー12 点、レ・ミゼラブル 6 点と得点化したものを表している。Bにおいても同様に得点化し、ABを加えた途中経過の合計得点が 1 番右に表されている。 また、②決選投票付き多数決において、決選投票になる 2 回目の投票は、1 回目の得票数第 1 位または得票数第 2 位に投じられた票数に、3 位で落選した人が挙げた 2 位の票数がそのまま加算されるものとする。

問 1  図 1 から 42 人の投票で、①単純多数決、②決選投票付き多数決、③ボルダルールによって選出される演目がそれぞれどれになるか、図 2 を参考にしながら 60 字以内で答えなさい。

問 2  このクラスの演目を決定するのに、あなたなら上記 3 種類の方法の中からどれを採用するかを理由とともに 500~540 字で述べなさい。またその際、自分が採用しなかった 2 つの方法についても、どのような点が劣ると考えたのかを具体的に述べること。


攻略法(共通)


  1. まずは設問を完全に理解

  2. しっかりと資料から重要なポイントを読み取り抽出して箇条書きにする(正しい分析・考察)

  3. その箇条書きの点をつないで(根拠の明確化)線にし、洞察を加えて面にして議論を構築(意見の的確な表現)

  4. 設定された字数内に落とし込む(論理的文章の構成)


次に問2を攻略する。

ステップ1 設問を完全に理解する


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