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樹上から見つめる成長

日本3大植木生産地である久留米市田主丸町は、江戸時代から苗生産が盛んな歴史ある植木の町です。この地で、緑化用・造園庭木用の植木や植物40種以上を生産販売する金華園の代表 二又朋則さん。祖父の代から続く植木生産販売だけでなく、多くの人に園芸の楽しさや喜びを伝えたいと、植木のレンタル「ツリース」事業や植木が検索できるサイト「ウエキサイト」の運営などを行っています。また、久留米市北野町にあるB型事業所「レガート」の代表も務め農福連携に取り組まれています。今後は金華園の圃場を人が集まるエンターテインメント圃場「楽生ガーデン」として一般開放するべく、レガートの利用者さんと共に造園中です。

二又さん―「私がB型事業所レガートの事業を引き継いだのは一昨年。もともと金華園からレガートに仕事を出していて10年程の長い付き合いがあり、そのご縁からです。
B型事業所を運営するにあたり、はじめは“仕事の細分化”を考えていました。でも、いくら細分化しても出来ない仕事は出来ない。
その人その人に合わせた仕事を作るのが一番手っ取り早い。障害のある方が何か出来ないかなと常に考えていた時に農業にたどり着きました。
ここでは農作業以外にも、請求書発行や宅配便の送り状作成、野菜揃えなどその人に合った仕事をしてもらっています。ここに仕事を外注してくださる方達などに、『能力を持っている人たちがいる』と知ってもらえれば次のステップに繋がっていき、最終的に就労に結びついていくのではないかと考えています。」

それぞれの出来るを見出し、伸ばし、周知したい。能力があると知ってもらうことで障害のある方の働き方は大きく変われると二又さんは考えています。


作業を終えた利用者さんと一緒

未来ある

二又さん―「今の悩みは、生活保護を受けている若い利用者があまり来てくれなくなったことです。作業で得られた工賃が一定額を超えると保護費が減額してしまう。手取りの割合が減るので、働いた分損しているように感じたようです。まだ若く希望ある彼には、みんなが憩える『楽生ガーデン』造園という役割を担ってほしいと考えています。ゆくゆくはここでの作業を通してステップアップしてもらい、外の世界へ羽ばたいてほしい。」

お金以外にも得られるものに気付いてほしい。彼の伸びしろに期待できるからこそ、また落胆も大きくなります。
そして、金華園でも希望ある若人が働いています。

二又さん―「まだ父が金華園の代表を務めていた頃。『樹木医を目指しているが進学が難しい生徒がいる。経験を積むために働かせてもらえないか』と、ある高校の先生より相談を受けました。
樹木医になるには、まず樹木の保護等に関する業務経験が7年以上無ければ受験資格が得られません。造園業は18歳の女の子には厳しい重労働だから、金華園で働いてもらうことになりました。今はようやくその期間を終え、働きながら資格取得に向け励んでいるところです。当初は時給制のパートとして雇用していましたが、時給だと季節によって勤務時間が変動し月毎の収入が不安定になるので月給制にしました。私が金華園とレガートを半々程で行き来しているので、彼女がいてくれて助かっています。夢を叶えて自分の思うように人生を歩んでほしいですね。」


金華園でもレガートでも、若木がすくすくと成長しています。

耳納連山を背景にすくすく


同社からのメッセージ


B型事業所レガートでは利用者さんを募集しています。
庭木や植木のご相談もお待ちしております。

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