物語2

 あまりにも遅れてしまっていると、逆に冷静になってしまった。まあしょうがない。こんなこともあるのだろう。
 周りを見渡すと平日の昼間だからだろうか、人が少ない、というか僕以外いなかった。珍しい話だ。スマホでLINEを開いてみると、案の定友人のBからメッセージが届いていた。
『おーい、遅刻かー。起きろー』9:00
メッセージに思わず頬を緩めてしまう。こういう友人を持っていることにふと感謝の念を持ってしまう。
『いま電車に乗ったところ。』
と打つ。
 まあこんな日もあるだろう。
 そろそろ新宿に着く頃だ。そう思って顔を上げると遠くにビルの尖塔が高々と連なっている。
 なんだろう何かがおかしいような気がする。

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