(趣味をだらだら)オーストリア=ハンガリー帝国の黄昏〜世紀末ウィーンの響き〜

私はこの地域、時代の音楽がとても好きなんです笑
ブラームス、ブルックナー、マーラーといった絢爛たる作曲家を生み出した条件とはどのようなところにあるのか、と考えています。
また、同時期でいえば、帝政ロシア方面においても、チャイコフスキー、ラフマニノフ、グラズノフといった、ロシア好き垂涎の音楽文化が華開いた時代でもあります。

帝政ロシア末期の音楽については後日改めて語るとして、この時代のウィーンについては政治的には帝国の衰退が見られるものの、帝国を支配するハプスブルク家が文化を推奨したため、史上稀に見る音楽の興隆があったみたいです。

私は特にブラームスの古典的な形式に則りながらも、随所にロマンティシズムが散りばめられた、あの繊細な世界が大好きです。特に交響曲第3番や第4番の、暗さの中にある美しさ…。叶わぬ夢…。本当に美しい曲ですので、皆さんぜひ聴いてみてください。
🎵ブラームス交響曲第3番第3楽章
https://youtu.be/RP5x6bi2SBo?feature=shared
↑長押しして、リンクを開く、でYouTubeに飛びます。
映画のワンシーンなどで使われそうな、哀愁たっぷりの琴線に触れる曲です。2楽章はドイツの豊かな自然を感じることができ、4楽章は激しい熱情と諦観が表現されています(私見)

🎵ブラームス交響曲第4番第4楽章
https://youtu.be/2Xb9wj65VIQ?feature=shared
パッサカリア形式。同じテーマが次々と形を変えて現れます。閉じていく人生が形式を持って表現されています。私はこの曲を演奏したことがあるのですが、次第に追い詰められていく感じがして、でもそれがあまりにも美しくて、泣きそうになりました。人生を表した感動大作であるとともに、ブラームスの音楽語法の金字塔です。(私見) 落ち込んでいる時に聴くと良いです。

ブラームスが形式に則った古典スタイルで、どちらかといえばコンパクトタイプであるのに対して、マーラー、ブルックナーは宇宙!って感じがします(語彙力…)
ただ、マーラーの方がよりコスモポリタンで、ブルックナーはドイツドイツしている、ワーグナーっぽいという印象を抱きます。
マーラーの代表的な曲としては、映画、ベニスに死す、でも使われた、交響曲第5番でしょう。映画で使われた第4楽章は本当に美しく、しみじみとした安らぎが、じんわりと胸の中に広がっていきます。
🎵マーラー交響曲第5番第4楽章
https://youtu.be/Fvb1ITRFXhc?feature=shared
マーラーの1番幸せな時期に作られた曲です。他にも第一番巨人、第二番復活など、非常にスケールの大きい、どちらかといえば抽象的で心理面を描くような曲がたくさんあります。
ブルックナーは正直あまり聴かないし、苦手という人が多いのではないでしょうか。一曲が非常にながく、いきなり止まったり、同じことの繰り返しが多くて飽きてしまう、といったことがその要因でしょうか。しかし、彼の曲はとくに和音進行が美しく、そのスケールも特大で、宇宙的な壮大な経験ができます。
🎵ブルックナー交響曲第4番第1楽章
https://youtu.be/2EFoDEgzs40?feature=shared
私はこの曲の冒頭の、世界がひらけていくワクワク感がたまらなく好きなんです!是非最初だけでも聴いてみてください。
🎵ブルックナー交響曲第8番第4楽章
https://youtu.be/HeIMwTHPEWo?feature=shared
弦の刻みの上にドッシリと鎮座する金管、その上に華やかに鳴り響くトランペット…こんなカッコいい出だしがあります?いや、ない。ちなみに最後はCdurに到達する前に巨大な和音展開があり、この部分は特にオーケストラの力量が試される場面です。
(ブルックナーの中低音金管は他の作曲家にはない独特な響きがすると言われます。すなわち、深海の奥底から聞こえてくるリヴァイアサンの唸り声。めっちゃかっこいいですね…!)

とまあ、脈絡もなくだらだら世紀末ウィーンの私の特に好きな曲を紹介してきました。
皆さんも是非、クラシック音楽の素晴らしさを享受して、楽しい人生を送りましょう〜
(完)

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