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『取り組む姿勢の大切さ』

私たちは、日々様々な「出会い」をしています。そしてその色々な人達との出会いのなかで、成長したり、また時には悪い影響を受けてしまうことがあります。

私は中学生の時、サッカー部に入っていました。そこである一人の部員と出会いました。その部員の名前をAさんとしておきます。

Aさんは部活動に対する姿勢、取り組み方が、本当に素晴らしいものでした。その当時、毎日朝の練習があったのですが、Aさんは誰よりも早く練習場所に来て掃除をし、全員での練習が始まるまでひたすら黙々と一人で練習をしていたのです。

Aさんは一つ一つのプレーに対して本当に真剣で、常に本番の公式戦の試合を意識して練習に励んでいました。

部員のなかにはAさんとは対照的に、寝坊などの理由でよく朝練に遅刻をしてくるBさんとCさんがいました。

BさんとCさんは仲が良かったせいか練習中もよくおしゃべりをし、周りから注意されても反抗的な態度をとってだらだらとした行動をとっていました。

技術的にはAさんもBさんもCさんも最初はあまり変わりがなかったのですが、1年ぐらい過ぎたぐらいからBさん、CさんはAさんに技術的に勝てなくなっていたのです。それほどAさんは部活動に一生懸命に取り組んでいたのです。差がでて当然のことです。

私がAさんのことをすばらしいと思ったのは、今言ったように「Aさんが部活動に対する姿勢が良かったから」という理由だけではありません。Aさんの素晴らしかったのは、部活動だけでなく授業や掃除、学校行事など普段の学校生活においても、一生懸命取り組んでいたところでした。

授業を真剣に受け、予習・宿題もしっかりやっていたため成績も良く、自分の夢を実現させるため、Aさん自身が望んでいた道へと進んでいったのです。

才能もあったとは思いますが、その才能を日々磨いていたAさんの行動・意識の高さは本当に素晴らしいものでした。

普段の学校生活がいい加減であれば、そのいい加減さが部活動にしても勉強にしても必ずどこかで出てくるものです。

私は A さんとの出会いを通じて、部活動でも勉強でも取り組む姿勢 が良くなれば、技術は自然についてくるし、また人間的にも大きくな るんだということを学びました。

今このお話を聞いている皆さんも一人ひとり、素晴らしい才能をも っています。毎日の学校生活をしっかり送り、何事にも一生懸命取り 組めば、その才能をより輝かすことができるでしょう。

そして、今同じ教室で一緒に朝終礼や授業を受けているクラスの仲間とは、何かの縁があって出会ったわけです。この出会いを大切にし、お互いが高い 意識をもち、クラス全員が輝ける環境を自分達でつくっていきましょ う。私達も応援しています。(原 真巳)

※今回掲載したのは、私が教員生活のなかで生徒達に伝えてきた講話です。

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