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輪ゴム為替

小学校の高学年の時に輪ゴムで撃ち合うのが流行ったんですが、もちろん娯楽のためのものなんか買ってもらえないので、(前述のシール交換同様)家の輪ゴムボックスから毎日2.3個拝借していました。でも撃ち合いは弾数勝負なので、輪ゴムをどれだけ持っているのかが権力を表すというか、すげーってなったわけです。もちろん手持ちの輪ゴムは常に一桁なのでどうにかして増やさねばなりません。その時、クラスの女子は「輪ゴムの撃ち合いなんて💦」と思い出して、次々と引退していったんですよね。チャンスだ、と思いました。ここだ、と。
まず、一旦輪ゴムをクリップに替えます。クラスの大半は輪ゴムを欲しがってる奴らばっかなので、喜んでクリップに交換してくれます。輪ゴム一個につきクリップ一個が相場でした。たまに、ご贔屓割みたいなのでおまけしてくれることもありました。そこで、輪ゴム撃ち合い引退女子に話しかけるのです。「クリップと持ってる輪ゴム交換してくれない?」と。当然、輪ゴムを持っててもいらないのでまだ日常的に使えるクリップと簡単に交換してくれます。「輪ゴムいらないからいっぱい持ってっていいよ」と言われます。
ですが、大切なのはここで調子にのっていっぱい貰わないことです。「クリップ一個で輪ゴム二個でいいよ」と言います。「また交換してよ」と口実を作ります。ここで、大切なのはこの激ウマ物件を失わないことです。誰かがこの為替に気づいて競争相手になってしまったら当然「大切にしてもらってる方」に付くわけです。なら、最初から「君のその輪ゴムには価値を高く見いだしてるよ」と思わせれば良いのです。
結局私はクラスをぐるぐる回ってるだけでどんどん輪ゴムが増えていきます。でもこれってかなり非効率で、もっと稼ぎたいなと思うようになりました。そこで、友達の輪ゴムを借り、必ず増やしてくると言って増やし、マージン(輪ゴム3個につき1個)をもらう方法を考え付きました。

そして輪ゴム富豪になりました。大輪ゴム持ちです。じゃらじゃら持ってます。一個二個なら簡単にあげてました。
でもこんなに持っててもエイムが悪いので撃ち合いでは全然負けてましたトホホ……

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