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<Hondaワイガヤ>の勧め

           コンサルテーション実録
        【老獪コンサルタント見聞録】 
<Honda ワンフレーズの魔力 > 
*** その1 「ワイガヤの勧め」 ***
● <ワイガヤの勧め>
「何時ものようにワイガヤから始めましょう」とご担当H氏は言う、「我がHondaでは最近年俸制が導入されまして、年俸制はパフ―マンスが前年と同レベルだと減額されるのです、厳しいですよ」と何故か嬉しそうに語りだす」 「AKIさん最近何か面白いことがありましたか?」 私は応えて「味の素さんではJUMP25と言う運動をスタートさせましたよ」 「その概要は・・・・・」 と続く。
H氏「20分経ちましたので本論に入りましょう」  <ワイガヤ>はHonda組織運営の原点、会議はこれでスタートします。
● <ワイガヤ>現在も続いているのか不明ですが、原宿本社時代から表参道本社に移転して数年間の関わりがあった時まで綿々と行われていた。  コンサルタントとして会社のマネージャーとしての成功を支えてくれた言葉です。
● F電気鈴鹿工場長の嘆息
Honda鈴鹿工場に隣接するF電気でのコンサルティング中に<ワイガヤ>のお話を披瀝したところ工場長が興奮気味で語り始めました。 「我がF社では、飲み会を行う時に近鉄線白子駅近辺で行います」 「所用で遅れて行った時に小料理屋の暖簾をクグルと、奥と手前の小部屋で宴席が始まっていて、奥の部屋は活気に満ちた声で、手前の小部屋はヒッソリとしていました」 「私は躊躇なく手前の小部屋に行きました、残念!」 「かねがねHondaさんは何故元気で創造性豊かなのか不思議に思っていましたが、ワイガヤだったのですね」 「私も真似してみます」 とのこと。
● <失敗コンテスト>
私は付け加えました「Hondaさんでは<失敗コンテスト>と言うキャンペーンがあります。 一年間を通してユニーで面白いチャレンジフルだが何かの理由で失敗した事を発表するのです」  失敗は学びが大きい。 これらを検証してみよう、と言うものです。  失敗には幾つかの種類がある①手抜きで情熱が不足していたもの ②工夫が足りなかったもの ③周りの巻き込みに失敗したものなど。 最悪なのは<何もしない、挑戦しない【不作為の罪:なさざるのつみ】である。 失敗大いに結構・そこから学べの精神が行き届いています。
● <ラウンドテーブルミーティング>
  半年間の組織風土調査の結果をどのように現場に落とし込むのか、Honda社数名弊社数名のプロジェクトミーティングをしていました。 結論は各職場で行なっている<ラウンドテーブルミーティング>の場を活用して行おうと言う案です。 週の初めに各職場で行う定例ミーティングをそう呼ぶのだそうです。 役員室でもそのためのテーブルがあるし、各役員が三々五々集まり<ワイガヤ>をしていて自然と役員会で取り上げるべき議題に移行していくのだそうです。
● Hondaベルノ店の展開
 そのような会議から生まれたのがベルノ店だそうです。 当時、車の販売はセールスマンが飛び込みで名刺を何枚配ったが評価指標だったころに、全くパラダイムを変えた出店でした。 女性の社会進出に伴い昼間の在宅率が減る中、飛び込み訪問は大きな時間ロスだと考え<待ち受ける営業店>を考案しました。  車に興味のある人は営業店のショウルームに来ます。 折角来店いただいたお客様を囲い込もうと言う作戦です。  従来は、営業店でお茶を出すお客様は<成約の為>のお客様です。  時間経過と共にコーヒーにサービスランクを上げていました。 これを逆転しようと考えて、見学顧客に最初からコーヒーをお出しします。 一般的に「お茶はタダ」 「コーヒーはお金が掛かる」 と思われがちですので見学顧客は喜びます。 お子様連れが喜ぶ店内設備やアプローチの仕方など、従来の在り方を180度変えようと言うことで出店展開して大成功を収めました。 以来多くの他社ディラーも真似をしたそうです。
● 高度成長期の営業スタイルは<体育会系・・・行動主義>外に出て数多く訪問せよ!無駄な会議はするな!  Hondaはベルノ店の成功を踏まえて、「上手に会議をして生産性を高める」を工夫していた会社と実感しました。  私も営業のリーダーとして弊社の営業変革の基盤とさせて頂きました。
 
● Honda社で大きなプロジェクト案件を受注し遂行管理を担当していた間に見聞したことです。
今回は その1 です。 今後も続きます。
 

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