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動機付けと報酬

 【 行動科学の展望 】
Perspectives on Behavior Science
人と人々が綾なす諸問題に取り組む方々に
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<テーマ : 動機付け> 
*** 報酬の種類 効果的活用 ***
 
● 古来より「鼻先にニンジンをぶら下げる」と言われ、最も単純明快な【動機付け要因】とされて活用されてきた。 しかし限度があることに気づき、人間関係の上段者はいくつもある【動機付け要因】を上手に組み合わせて、部下の動機つけに成功してきた。
● 戦闘集団では<敵の武将の首>を取った者には領地を与え鼓舞してきた。
秀吉は国内を制覇して頑張った武将に領地を与えてきたが、徐々に与える領地が少なくなり、領地獲得の為に<朝鮮出兵>を試みて大失敗に終わった。
● 信長は、領土を与えることを上手に行ったが、反対の<切腹><移封>など罰則も厳しくプラスとマイナス両面>を使い分けた。
● 本能寺の変で光秀の謀反にあったが、光秀は何故武功豊富でありながら謀反をしたのか? 諸説あるが信長は近畿を中心に平定し世情が安定した時に3武将を伴って下呂温泉に湯治に行ったそうです。 森長可(幼少時代から一緒に育った) 前田利家(若いころ荒くれ者で気が合った) 木下藤吉郎(機転が利き可愛がっていた) この3武将である。 彼らは信長にとって「気を置けない」同志的存在った。 光秀は優秀で武勲は大きいが、どうやら外様的な存在だったらしく、この湯浴みには呼ばれなかった。 光秀は相当ショックだったらしく、将来不安を感じての謀反行動だとの説がある。 自己肯定感がダダ下がりで、内向思考の光秀は、武将としての【恐怖】に駆られたのであろう。
  *** 報酬の形態 ***
1. 【外的刺激】・・・「ニンジンを鼻先に」物欲を刺激する
   最も基本で古来より、これが動機付けと信じ込んでいた。
   * エスカレートする 際限がない 秀吉の朝鮮出兵しかり
ある百貨店では大入りの日に全店員に500円を配っていたが何回かすると「又500円!?ケチ!昼飯代にもならない」と不満を漏らす。     * 上限に達すると限界効用のピークになる。  出来高給の高い業界では年収1億円を超える社員が続出する。 100万円でも社員は乗ってこなくなるという話を聴いた。  *関連記事:ある生命保険支店長
 
2. 【内的刺激】・・・自身の内面で感じる報酬
  ① 【他者に認められる】 と言う刺激・・・金銭の額などでなく、皆の前で表彰された 尊敬する先輩から声を掛けられた「頑張っているらしいね、聞いているよ」など
信長の下呂温泉湯治は3武将のその後の活躍に繋がっているそうだ。
 * 気負付けないとマイナス効果もある 相手の望まない声かけ内容は心が傷つく棘になることがある。 光秀を誘わなかったことが、光秀の嫉妬心や将来恐怖をあおったのかもしれない。
 これを上手に使い分ける人を【人誑し】と言い秀吉は天才的だった。 【人誑し】は一見言われても嬉しくない言葉に聞こえるが、対人関係の上段者は嫌らしくなく自然に発揮している。
本田技研で聞きました、オヤジ宗一郎にぶん殴られましてね! と嬉しそうに語る 方々 *今ではパワハラになるのでしょうか
松下幸之助さんは工場に出かけて「皆元気で頑張っているかね?」などとは決して言わなかったそうです。 固有名詞だそうです「この工場の佐々木の研究の進み具合はどうだね?」と、名前が挙がったことを聴いた佐々木さんはキット舞い上がる程嬉しかったでしょうね。 正に【人誑し】
 
② 【自分で自分を褒める】 自身で心に誓った内面目標への達成
  あいつには負けないぞ  週に50kmは走るぞ  外人を英語でガイドするぞ
   *最も根強く持続する動機付けである 優れた指導者は相手の内面欲求を構築するお手伝い・会話をする。 野球の栗山監督は大谷選手に二刀流と日本での基礎造りという目標構築の自己決定をお手伝いし、マラソン青山大学原監督もこの指導で名コーチとして際立っているそうだ。
 
● マズローの欲求5段階説をベースに考えると
「鼻先に人参」は 第一段階生存欲求 第二段階安定欲求のレベルであり
第三段階、第四段階のレベルでは 2の① 内的刺激で
第五段階、第六段階は2の② 自分で自分を褒める でしょう。
 


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