お師匠様と神社巡り①

お師匠様は、年に三回位、神社参拝の旅行を計画する。

夏と、神無月(10月)と、正月の三回。

神無月の出雲旅行は、先生の身内と本当に親しい人達だけで行く旅行なので、自分は参加できない。

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※10月が「神無月(かみなづき)」と呼ばれるのは、10月になると日本中の神様が話し合いをするために島根県にある出雲大社に集まるため。

島根以外に神様がいなくなることから、10月は神様がいなくなる月、「神無月(かみなづき)」と呼ばれている。

逆に、島根県では10月に神様が集まってくるから、神様がいる月、「神在月(かみありづき)」と呼んでいるらしい。

(詳しくはwikiを参照してください)

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お師匠様は、どこの神社に行くかを決めるとき、神様と相談して決める。

るるぶを開いて、目を閉じてうんうんと頷いている。たまに手もかざしている。


こういう時のお師匠様は集中しているので誰も話しかけない。

ものすごくシュールな光景です。

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【京都旅行で平野神社に行きました!】

「ここには全部の神様がいるんだ」

本殿の前でお師匠様が言った。

八百万(やおよろず)の神様がいらっしゃるなんて夢のよう。

「あ、賽銭を入れてお願いしても、神様は知らんぷりするからね」

「!?」

【悲報】今まで自分のお願いはスルーされていた

「全ての神様は、人間を『応援』するんだ。だから行動を起こさなければいけない」

「だからまずは『応援の神様、いつも応援してくれてありがとうございます』と話すと良い」

「応援という言葉を聞くと、神様は『お?』って思って一目置かれるからね」

「(混乱)」

初めてのことばかりで困惑していると、もっと分かりやすく話してくれた。

「お願いごとはしてもいい。そのお願いごとを叶えるために、自分でも努力することも伝えるんだ」

「例えば、『試験に受かりますように。毎日勉強を欠かさず頑張ります』みたいに。頑張ることを具体的に伝えるといいね!」

「(なるほど)」

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【まとめると】

①「いつも応援してくれてありがとうございます」(お礼)

②「〇〇をお願いします」(お願いごと)

③「そのために□□を頑張ります」(努力すること)

↑この順番でお参りすれば、神様が応援してくれやすくなるとのこと。

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帰り際、お師匠様は

「頑張りますって言ったなら、ちゃんと努力しないとダメだからな?」

みんなに釘を差した。

なかなかそれが出来ないのが人間。

つづく