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キャッシュフロー表の作成(将来の支出「生活費」について)

年間の生活費を把握することからか始めましょう。
1年間で、いくらの支出があるのかということの把握です。
参考までに、年間支出の管理表を掲載いたします。

・家計簿があればベストですね。なければ預金通帳、カードの利用明細等から書き出してみましょう。
将来に渡って年間の生活費を予測することが目的ですので、詳細にこだわって確認することで手間を掛ける必要はありません(現在は確定できても、将来は未確定ですから割り切って、大雑把でもかまいません。)
・家計簿がある場合の支出項目は家計簿通りで結構です。この表の支出項目に合わせる必要はありません。ご自分が将来に渡って、把握しやすい項目で整理してください。
・「非消費支出」の把握方法は、8月の投稿「収支の管理について」でご確認ください。

・上記の表示項目は、将来の支出を見直す(節約)ときに、検討し易いようになっています。
例えば、「住宅関連費」は住宅ローンの繰り上げ返済等によって、大きく変わる項目です。「車両費」(マイカーに掛かる費用)は、EVに替える、軽四輪に替える、思い切って廃車するなど、節約効果の高い項目です。また、「保険料」についても、定年後の生活に見合う内容に見直すことで、節約が可能な項目とされています。
これらは、個人の価値観の違いもあり、一概にここを節約すべきだという話ではありませんので、ご理解ください。

・ところで、皆様が気にされることかと思いますが、昨今の諸物価の高騰です。ウクライナ侵攻による資源、穀物等の輸入価格の高騰、アメリカや欧州諸国の利上げによる円安が重なり、昨年より急激に物価が上昇しています。会社員には、賃上げという緩和機会がありますが、年金を主な収入源とするシニア世代への影響は大きなものがあります。
しかしながらキャッシュフロー表において、物価の上昇をどこまで将来の支出予測に加味するのかということになると、難しいものがあります。
私は、クライエントには、基本的に現在の収入・支出がそのまま将来続いた場合の予測を提示するようにしていますが、このような急激な上昇下では、3%程度を2~3年間反映させています。その上で、さらに大きな変化が生じた場合は、再度見直しを行うことをアドバイスしています。このことは、物価の上昇に限らず、収入が変わる、家族構成が変わる、住む場所が変わる等の節目には必要なことです。

・これで、収入と支出が把握できました。支出は「生活費の総額」と「将来のイベント費用」となり、収入との差がプラスであれば「貯蓄が増え」、マイナスの場合は「貯蓄を取崩す」ことになります。
その関係は、以下の通りです。

※「将来」=100歳として試算をします。長寿のリスクも考えてのことです。

・この後に説明をする「医療費」や「介護費」、「墓地や墓石等の死後の費用」については金額が大きいため、しっかりと準備をしておくことが必要です。私の場合は、キャッシュフロー表作成において、特定の年齢時を決めて具体的に費用を計上するのではなく、これらを合わせた金額が貯蓄で賄えているかどうか、貯蓄額の推移をみることで、確認をするようにしています。

次回は、「いったい、いくら位掛かるの?」と皆様が不安に思われている「医療費」と「介護費」についてお話をさせていただきたいと思います。


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