FGOイベント盈月剣風帖を終えて

これぞコラボイベントだなぁと。
サムライレムナントをプレイしていない身として、とてもプレイしたくなった。

特異点江戸で行われる、第二の盈月の儀。
前回マスターとして盈月の儀の参加したはずが令呪を持たない宮本伊織、その相棒セイバーヤマトタケルを協力者にしてカルデアのマスターは無人の江戸を駆ける。
セイバーと紅玉の書、敵対者である由井正雪ライダー陣営、地右衛門ランサー陣営、全員盈月の儀の記憶を持っているにも関わらず、宮本伊織ただ一人、その記憶を持っていない。
忘れているのか、儀に参加する前の伊織なのか。それすらも分からないまま第二の盈月の儀を止めると宮本伊織は言う。
ストーリー中何度も、宮本伊織は盈月の儀をどう生きたのかという話題になります。
セイバーの言葉は不穏で、勝てたのか負けたのか、はたまた死んでしまったのかとまで想像させられる語り口で。

宮本伊織はサーヴァントとして現界したという事実に、一人理由なく納得する。故に盈月の儀の記憶を持たぬのだと。

宮本伊織にとって盈月の儀の最後は、もしかしたら悲劇だったのかも知れない。
しかし、その悲劇へと走っている姿は煌めきだったのだろう。
生涯に渡り宮本伊織は盈月の儀を、振り返り思い出す。
その度に時間という名の距離は長くなり、その記憶は遠く小さくなっていく。
だが「そうあった」記憶だけは決して失くす事はなく。
そして、戻りたいとは思わないのだ。
何があろうと叶えたい願いがあり、何かを喪いながら駆け抜けたであろうあの日々。
あの時の焦燥、あの時の悲嘆、慟哭、寂寥。全てはあの時のモノであり、そしてあの日々全てが自らの願いだったのだと。それは叶っていたのだと。
サーヴァントの身であればこそ思い出せない過去だが、かつて身を焦がした日々は確かにあったのだ。それさえ自らに確かであればそれで良い、と。

宮本伊織はそう満足して退去します。
友と、かつての自分に惜しむことなく別れます。

宮本伊織が思う様駆け抜けたという、江戸の日々。
また一つ、見届けなければならない物語が増えました。

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