51.校則

 中学校の校則は厳しかった。
定期的に行われる服装・頭髪・持ち物検査。
講堂に全校生徒が集められる。

スカートは膝下5cm。
先生方は常に定規を持っている。
中学一年生は、大抵の生徒は大きめの制服を着ているので、ある程度は目をつぶってもらえる。
私も、スカートの長さは膝下10cmくらいあったが、担当の先生に
「これから大きくなるものね。」
と、言われて免除された。

ソックスの長さは決まっていて、色は白、三つ折りにしないといけない。
長いままだと注意を受ける。
ストッキングは黒のみ。
冬とか式典の時は黒ストッキングを履かないといけない。
肌色ストッキングやタイツは脱がされる。

寒い時、肌色のストッキングにソックスを履いている生徒がいるため、足を触って確認される。

スカートのウエスト部分を折ってはいけない。
折れないように、スカートと付属したインナーベストが付いているけど、スカートを折りたいがために、ベストを着ない生徒がいるため、検査の時はセーラー服を必ず捲って確認される。
セーラー服やスカートの裾を縫って短くしている生徒は、抜き打ち検査の時、慌てて直していた。

私が中学生・高校生の時は、長いスカートより、短いスカートが流行っていて、ルーズソックスもちょっと流行りかけてた頃の時代。

前髪は先生が押さえて眉毛が出でいないと切らなければならない。
所属する部活によっては、職員室で切らされていた。
髪が襟についたら結ばなくてはいけない。
ポニーテールはNG。
クラスの中には、元々ショートカットで、少し伸びてしまって襟についたら結ばなくてはいけないけど、ゴムで縛る長さでもないため、とても困っていた。
使っていいのは黒のヘアゴムと黒のアメリカピンのみ。
パッチン留めとか絶対NG。
黒ゴムも細めのもののみ。
太いヘアゴムは没収。

持ち物検査は教室で行われる。
通学カバンやサブバッグ、全てを先生が開け、中を確認される。
雑誌やマンガ、色付きのリップクリームなど全て没収される。
そしてカバンやサブにはマスコットなどを付けてはいけないため、付いていると即没収。
ブラシはいいけどカーラーNG
要するに、勉強に関係ないものは全てダメってこと。

検査は月一であった気がする。
プラス抜き打ち検査。

運動部は特に厳しくて、検査に引っかかると、部活の顧問にも連絡が行くため、必死で違反しないようにしていた。

考えたらおかしな校則が多かったように思う。
生徒手帳にも、校則がたくさん書いてあって、毎年中身は更新され、なんだか増えていってる気がした。

こんな事に使う労力を、他に使え…

と、思ってしまう。

先生方の見回りもあり、学校周辺や駅はもちろん、乗り換え駅にまで先生は出没した。
私は電車とバスで通っていたが、なぜかそこには先生は来なかった。
わざわざバスで行くような駅には、必要ないと思ったのか…。

私の家から学校までは1時間半ほど。
私が住んでいる家の沿線を使っている人は誰もいなかった。
バスを使う生徒もいたので、高校生に会うこともあった。

一番最初に通っていたD大学附属小学校で、一学年上のHさんが、M学園小学校に転入しており、彼女は2時間かけて中学校へ通っていた。
母は
「Hさんなんてあなたより遠い学校に通っているのだから、1時間半なんて通えるでしょ。」
と言った。

まぁ、そりゃそうだけど…

徒歩で通う生徒や、私とは反対方面に行く生徒がほとんどだったので、羨ましかった。

ある日の朝、いつもより遅い電車になってしまい、急いで乗ると、仲良しYちゃんと偶然会った。
乗った車両にYちゃん、驚いた。

「そめ〜
おはよう!!
元気だった?」

20分ちょっとの間、Yちゃんは、学校の先生や友達のことなどを話してくれた。

Yちゃん、元気そうでよかった。

久しぶりに会ったYちゃんは、とても楽しそうで眩しく見えた。
仲良しの友達ができたようだったし、なんか安心した。  

やっぱり、友達っていいなぁ…。

…続く……🚃


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