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新製品開発における技術の価値評価(ケーススタディ)

ブログ記事:不確実性の中の意思決定:新製品開発でのNPVとリアルオプションからのケースです。

夏の連休が終わり、業界はA社の意表を突く新製品発表で沸き立ちました。予期せぬ時期のリリースで、かん口令が敷かれた中で進められていた新製品は注目を集め、業界各社は対応策を模索しました。

N素材を用いる新製品は、業界の中でA社以外にテスト的に販売する企業もあり、業界では注目されている技術でした。

一方、X社もこれに対する対応を展開。A社と同じ発売日に新製品を発表し、開発の加速を図りました。A社の新規性は、N素材の採用にありましたが、X社はこの時点で、安全性の懸念と生産ラインの増設が必要になるため、採用を見送るという決断を下しました。

そこで、X社は既存技術の強化と新技術の採用をバランスよく進め、市場に勝てる製品を提供することに注力しました。しかし、最終的にはこの戦略はX社にとって利益を生むモノにはなりませんでした。。。

このケースから学ぶべきは、技術の価値評価の複雑さです。X社の場合、後の検証において以下の結果を参照しました。
①通常製品の延長上の製品はNPV(正味現在価値)は高かった
②N素材を使用した場合も、市況を観察しつつ実行しないオプションを算出し高い価値を有していた。

上記をマイナスにすることが、好適な検証になります。あの時の〇〇の設定が、見込みが。。。などX社の課題が浮かび上がります。

このケースは、技術評価だけでなく、全体の事業戦略や価格設定に至るまで、様々なビジネス要素の再考を促します。技術の進歩は、常にビジネスの文脈で評価されるべきであり、その価値を見極めることが、成功への鍵となるのです。

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不確実性の中の意思決定:新製品開発でのNPVとリアルオプション

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