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1号機および3号機では圧力抑制プールを通したベントに成功し、放射性物質の放出拡大は国際放射線防護委員会(ICRP)の避難勧告最低値付近に抑えられました。他方、運転員の懸命の努力にもかかわらず、

NHKのさらなる嘘は、この大量放出の原因が「15日午後4時に行われた3号機の5回目のベントにある」という点です
2018年02月28日
以下は前章の続きである。
石川 
NHKのさらなる嘘は、この大量放出の原因が「15日午後4時に行われた3号機の5回目のベントにある」という点です。
奈良林 
実際の大量放出は、15日午前9時頃から始まりました。
前日の激しい水素爆発で破損した原子炉建屋上部から蒸気を出している3号機に加え、2号機のブローアウトパネル(原子炉建屋側面の四角い開口部)から出た多量の蒸気が汚染の主因です。
特に、同日午後は2号機の格納容器の放射線量が130シーベルトを超えており、その汚染された蒸気が16日にかけて放出されています。
こんなことは少し真面目に取材をするか、調査報告書を読めば誰でもすぐにわかる事柄です。
石川 
2011年6月に、保安院は各号機ごとの放射性物質放出率を正確に公表している。
格納容器が破損した2号機からの放出が大きく、全体の90%を占め、3号機はわずか3%に留まる、と。

一方の見解だけで番組に
奈良林 
読者のために説明しますと、ベントというのは格納容器の圧力が高くなったら放射性物質を含む気体の一部を外に出す措置のことです。
そのまま排出してしまうと放射線量が高いので、水を通すことで放射線量を100分の1以下まで下げる(ウェットベント)。
この水が「圧力抑制プール」と呼ばれるものです。
格納容器を囲むように「ドーナツ型」に設置され、その量は3000トンにもなります。
牧 
1号機および3号機では圧力抑制プールを通したベントに成功し、放射性物質の放出拡大は国際放射線防護委員会(ICRP)の避難勧告最低値付近に抑えられました。
他方、運転員の懸命の努力にもかかわらず、2号機はベントに失敗したために直接、原子炉格納容器から放射性物質の大量放出に至ってしまった。
ところが、NHKの放送を見ると逆で、まるでベントをしたことが放射能汚染をもたらした元凶のように報じている。
この稿続く。

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