全てを諦めた時のみ、アニメを見返す

「今日は全てを諦めて人類は衰退しましたを見返す」というツイートが流れてきた。

共感した。

『人類は衰退しました』は田中ロミオのライトノベルで、2012年にアニメ化された。10年以上前のアニメだ。

面白かった。当時は私も好きで、見てない友達に勧めたりした。

「この作品は哲学なんだ!」
と言っていた気がする。

しかし、私も一度見たきりで、見返してはいない。

人類は衰退しましたを見返す時があるとすれば、
それは全てを諦めた時でしかない。

その気持ち、凄く分かる。

人類は衰退しましたはとても面白い部類のアニメである。
メッセージ性とかもあった。キャラも魅力的。オープニングも流行った。時系列の入れ替えによる伏線回収とかもあった。

しかし旬は過ぎた。

なんというか、今更見返しても、なんら生産性が無いという感覚が凄い。

人類は衰退しました、だけではない

話は『ハルヒ』だろうと『化物語』だろうと『コードギアス』だろうと『ローゼンメイデン』だろうが同じだ。

あんなに好きだったのに…

当時はこれらの作品を鑑賞することは、「最先端のオタク的想像力」(?)を涵養するためには必須であったし、
批評(?)の解像度を上げるために見なければならなかった。

アニメ視聴はアイデンティティであった。ファッションでありコミュニケーションであった。芸術とエンタメのハイブリッドであった。

強烈なインパクトがあった。求心力があった。10年以上たった今は無い。

今見返す時があるとすれば、
それは全てを諦めた時くらいだ。

(かつてのネット民は共有ファイルや初期YouTubeに違法アップロードされたアニメの動画ファイルをせっせとコレクションしていたが、
現代において、そのコレクションをわざわざ見返している人っているんだろうか。)

当時あれほどまでに重要な地位をしめたコンテンツ群。
10年以上たったとはいえ、これほどまでに見る気が失せるものなのか。

まあ、あえて見る気がしないだけで、
たまたまテレビでやってたら釘付けで見ちゃいそうではあるが。

しかし名作ドラマや金曜ロードショーでよくやる映画のような
再放送のアルゴリズムは無い気がする。
まったく地上波で再放送してないわけではないのだろうが、見る機会は少ない。

そりゃあサブスクで見ようと思えば見れるけど、再放送って自然と目に映るものであってさ。

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