火星人が地球人の身体を借りて暮らしている人と知り合い、スペインに行こうと誘われた。

 スペインにも聖杯があり、その霊体を持って帰れたら持って帰ろうという、ゆるい指令を姫神様たちから貰い、行くことになった。

 聖杯は有名だったので、すぐ辿り着けて、持って帰れたかどうかわからないが努力はした。スペインの聖杯は木製ではないとのことだ。イエスが本当に使っていた盃ならば、木製なのではないかと思うのだが、熱心な信仰により、霊体が出来上がっているので、日本に運ぶようだ。

 メインはバルセロナ。ここは火星文化があるらしい。
「サグラダファミリアは、まじ火星。」
と言って、喜んでいた。私は、なんとも居心地が悪く、人も多く、ごった返しているので、休み休み回った。
 街の中もガウディ建築が点在していて、どれも、私は見ていると気持ち悪くなってくる。これを作る火星人も凄いし、それを評価する地球人も凄い。

 そして帰国後、その火星人の訃報が入る。身体を借りられた地球人のほうは死亡ということになる。そのあたりのルールを文書で学んだわけでもないので、宇宙人と地球人との間に結ばれていたルールを知るたびに驚いている。

 聖杯は出羽三山に隠してあるという話を聞いていたので、私も、そこに運ぶのかなと思っていたが、違った。兵庫県にある生石神社というところに運んだ。ここは、大きな石が浮いているという不思議な神社だ。それも、立方体の綺麗な石がすっぽり岩に埋まっている。不思議としか言いようがない。生石神社に着くと、ゴジラのように大きいおじさんが神社に覆いかぶさっている。顔はめちゃくちゃ人の好さそうな、穏やかなおじさんだ。私たちを驚かせるつもりはないと言いながら、大きな石の下に、私が運んだ聖杯をしまう。
大きな身体に似つかない、綺麗な指には長い爪が生えていて、それで、大きな石をつまんで、周りを毎日、磨き上げているそうだ。大きな身体に似つかない繊細な指の動きに驚かされた。
本殿の裏にある大きな石にも登った。ここもエネルギーが凄く、雨で滑りそうだったこともあり、くらくらした。


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