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部活と国際バカロレアDP、両立できますか

中学生からよく聞かれるのが、「部活とIBDP、両立できますか?」という質問です。

『日本の中学校・高校は、部活と勉強を同時に頑張るところ』のイメージが強いのかもしれません。

しかし、国際バカロレアDPは世界共通のカリキュラムです。日本の高校生活のイメージがそのまま当てはまるとは限りません。

ここでは、国際バカロレアDPの大まかな流れ(11月最終試験の場合)を日本の高校3年生の一般的な学校生活に合わせて説明します。

大学進学を考えた日本の高校生活のイメージ

部活を含めた日本の高校生活では、高校3年生の夏の大会を最後に部活を引退し、夏以降から本格的に大学受験対策に取り組むイメージがあるかもしれません。実際の大学入試も秋以降に総合型選抜、推薦入試、一般入試と続きます。

日本の高校での「部活と勉強の両立」のイメージは、部活を引退した後に一気に勉強の感覚もあるように思います。

DP課題提出は大変です

DPの成績(DPスコア)は、11月の最終試験結果とIBに提出する課題(内部評価IA)の結果を合わせて評価されます。IBに提出する課題(内部評価IA)は、各科目の評価の20%から30%を占めるので、提出しなければ必ずDPスコアに影響が出ます。

IBに提出する課題(内部評価IA)は、そのほとんどの課題で1ヶ月以上の時間が必要で、各科目に1つか2つの内部評価IAがあります。(さらに約8000字の課題論文EEとTOKエッセイなども含まれます。)

これらの課題は、合計で(選択した科目によって増減しますが)10個前後、評価基準(ルーブリック)は全て事前に示されているので、生徒はルーブリックの評価基準を考えながら課題作成に取り組みます。ルーブリックの評価基準を考えながら自分の内部評価IAがどの程度評価基準に達しているかを自覚しながら取り組むと同時に、通常の授業も並行して行われているので、精神的な負担も大きくなります。

さらに、これらの課題は全て11月最終試験前に提出する必要があります。(ただし、提出締め切りが9月中旬頃に早めに設定されている課題もあります。)

11月最終試験に向け、最終試験対策に早めに取り組みたいところですが、提出課題の数が多く、提出課題の質も自分で決めることになるので、内部評価IAは簡単に書いて提出できるものではありません。

現実的な日程と課題提出

11月の最終試験対策を考えると、高3の1学期末・夏休みが始まる頃までにほとんどの内部評価IAを終え、夏休みあたりから本格的に最終試験対策に取り組んでいくのが理想です。

高3の1学期末・夏休みが始まる頃までにほとんどの内部評価IAを終えるための日程を考えると、部活が忙しくなる時期と内部評価IAに本格的に取り組む時期と重なります。

さらに、日本の大学進学を考える場合、9月頃から総合型選抜入試、推薦入試、IB入試等も始まるので、最終試験対策と大学入試対策(志望理由書の作成、志望校への提出書類の作成など)を並行して行う必要があります。

おわりに

高3の夏までしっかり部活に取り組んで、部活を引退してからしっかり勉強に取り組みたい、部活優先の高校生活を考えている人に(日程的に)DPの学びは向いていないかもしれません。

DPの日程を考えた上で部活と勉強を両立できる人もいますが、国際バカロレアDPの学びは精神的な負担も大きいので、自分がどのように取り組めるのかを判断する必要があります。

※CASとして部活に取り組む人もいます。

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