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国際バカロレアディプロマ取得のしくみ

国際バカロレアDPには、向き不向きがあると伝えています。

その理由の1つとして、国際バカロレア資格取得(ディプロマ取得)には条件があることが挙げられます。単純に45点満点中24点以上のスコアだけを獲得すれば、国際バカロレア資格が取得できるわけではありません。

ここでは、国際バカロレア資格取得(ディプロマ取得)の条件について説明します。

DPのカリキュラム

DPのカリキュラムは、必修の3つのコア科目と6つの教科から構成されています。

コア科目

「創造性・活動・奉仕」(CAS: creativity, activity, service)
「課題論文」(EE: extended essay)
「知の理論」(TOK:theory of knowledge)

6つの教科

「言語と文学」(母国語)
「言語の習得」(外国語)
「個人と社会」
「理科」
「数学」
「芸術」

各教科から1つの科目を選択することになりますが、6科目中3つの科目を上級レベル(HL: higher level)他の3つの科目を標準レベル(SL: standard level)で学習することになっています。HLとSLの違いは、授業時間と学習する内容の量の違いです。HLの授業時間は240時間、SLの授業時間は150時間と決められていて、HLはSLよりも授業時間と学習する内容が増えます。
※「芸術」は他の科目に置き換えることも可能です。

コア科目と科目の点数

コア科目

「創造性・活動・奉仕」(CAS)
  点数化されません。(ただし、完了している必要があります。)

「課題論文」(EE: extended essay) 
  A〜Eの成績で評価されます。

「知の理論」(TOK:theory of knowledge)
  A〜Eの成績で評価されます。

※「課題論文」と「知の理論」は、それぞれのA〜Eの成績を最終スコア換算表に組み入れて、0〜3点で点数化されます。

各科目

1〜7で評価されます。

※各科目の点数は、提出課題の評価(内部評価:Internal Assessment)と世界共通の日程で行われる最終試験(外部評価:External Assessment)との結果を合わせて評価されます。

DPの最高スコアは、7点×6科目+3点(「課題論文」「知の理論」)の45点です。国際バカロレア資格取得(ディプロマ取得)に必要な最低スコアは24点以上と決められています。

ディプロマ取得の条件

国際バカロレア資格取得(ディプロマ取得)は、単純にスコアが24点以上獲得できればよいわけではありません。以下の条件を満たす必要があります。(科目の選択の仕方によって条件が若干異なりますが、HL3科目・SL3科目選択した場合は以下のような条件になります。)

  • CASの要件を満たしていること

  • 「課題論文・知の理論」が、0〜3点であること
    課題論文と知の理論のそれぞれで、課題が未提出だったり基準を満たさなかったりした場合は、点数が与えられません。

  • 各科目の点数で1点がないこと

  • 各科目の点数で2点が3つ以上ないこと

  • 各科目の点数で3点以下が4つ以上ないこと

  • HL科目で12点以上であること

  • SL科目で9点以上であること

  • 学問的不正行為を行なっていないこと

科目だけを条件にあてはめると

条件が複雑なので、CASの要件を満たし「課題論文・知の理論」が0点で学問的不正行為を行なっていないとして考えます。

この場合、ディプロマ取得には6科目の合計24点以上のスコア(平均1科目4点)が必要になります。

つまり、ディプロマ取得の条件を満たすには、得意不得意に関係なく各科目4点以上のスコアを目指す必要があります。

ディプロマ取得に向けた学習

得意な科目があれば、重点的に得意な科目のスコアを伸ばしたくなります。

しかし、条件によると不得意科目があればディプロマ取得ができない可能性があります。そのため、ディプロマ取得に向けた学習では、得意科目の学習の割合を減らし不得意科目の学習の割合を増やすことが必要になります。ディプロマ取得には、不得意科目の学習を避けることはできないしくみです。

さらに、各科目のスコアは世界共通の日程で行われる最終試験の結果と提出する必要のある課題(内部評価IA)を合わせて評価されるので、期限までにある程度の質のある内部評価IAを提出しないとスコアが伸びません。

最終試験の勉強を頑張れば良いしくみでもないのです。

全てをバランスよく学ぶ

このようにディプロマ取得には条件があります。

国際バカロレアDPは全てをバランスよく学ぶしくみなので、得意科目だけを伸ばしたい人には向いていません。

国際バカロレアDPの学びは魅力的ですが、このディプロマ取得のしくみも考えて、DPの学びにチャレンジするかどうか判断が必要です。

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