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第Ⅱ期 補聴効果の評価とカウンセリング

こんにちは。本日は補聴効果の評価とカウンセリングです。

補聴効果の評価法
①客観的評価法
②主観的評価法

【補聴効果の評価法】
医師、言語聴覚士、看護師、臨床検査技師等が医療機関で補聴器適合検査を実施するためのもの

補聴器適合検査の指針(2010) 日本聴覚医学会
shishin2010.pdf (audiology-japan.jp)

【補聴器販売店向け】
「販売店における補聴効果の確認法」 日本補聴器技能者協会
data2.pdf (techno-aids.or.jp)

講義では、医師が講義するため、補聴効果の評価表で説明されています。
1)語音明瞭度曲線または語音明瞭度の測定
①語音明瞭度曲線の測定
→40㏈HLから80㏈HLの語音レベルの範囲で、装用時、非装用時のそれぞれ
 で、3つ以上のレベルを選択し、語音明瞭度を測定する
→67S語表を用いる
②語音明瞭度の測定
 →非装用時、装用時でそれぞれ一つの語音レベルで測定する
 →57S表を用いる
 →非装用時の語音レベルは500~2000Hzの平均純音聴力レベル+30㏈
  装用時の語音レベルは60㏈HL
③評価方法
 装用時の語音明瞭度が非装用に比べて
 +10%であれば、適合良好
 ±10%で適合許容
 -10%以下は適合不十分

2) 暗騒音の許容を指標とした適合評価
 ①4つの環境騒音と小説の朗読音声が同時に録音された音源(CD)が
  日本聴覚医学会により作成されており、それを使用する。
 ②通常朗読音のレベルを65㏈HLとし、SN比+15㏈の音源を用いる
 ③評価基準は「補聴器を使用できる」か「補聴器を装用するのが困難」の  
  二者択一

 3)実耳挿入利得の測定
 ブローブチューブを外耳道に挿入し、外耳道内(鼓膜外側面)の音圧を
 直接測定する方法
 →非装用時 REUG
 →補聴器装用時 REAG
 →実耳挿入利得 REIGG
 REAG-REUG=REIG

 4)挿入型イヤホンを用いた音圧レベル(SPL)での聴覚閾値・不快レベル
   の測定
  →挿入型イヤホンを用いて、聴覚閾値や不快閾値を音圧レベル(㏈SPL)
   で求めて補聴器特性図に記入し、2ccカプラで測定した補聴器特性
   (出力)のグラフと比較して判断する。
  →通常会話音の平均レベルである60ないし70dBSPLの入力音に対する
   補聴器出力が聴覚閾値を超えていること、90dBSPLの入力音の時の
   出力が不快閾値を超えていなければ、適合と判断する。

 5)ファンクショナルゲインの測定
  音場でスピーカーを用いて試験音を呈示して舗装用時と装用時での
  閾値を測定する
  →ウォーブルトーン(震音)またはナローバンドノイズ(狭帯域雑音)
   を用いる
  →非装用時の閾値から補聴器装用時の閾値を引いた値を
   ファンクショナルゲインという
  →評価の基準は装用閾値では1000Hzで35㏈HL以下、
   ファンクショナルゲインではハーフゲインが得られていればよい

 6)補聴器特性図とオージオグラムを用いた利得・装用閾値の算出方法
  →補聴器特性の測定結果を用いる
  →適切な利得がもたらされているか、不快閾値を超えないかなど
   ついて推測することにより、適合評価する

 7)雑音を負荷した時のご音明瞭度の測定
   →補聴器を装用する環境では、通常少なからず雑音が存在している
   ので、より日常の使用環境に近い状況での語音明瞭度を測定すると
   するもの
  →雑音抑制機能や指向性機能の評価にも利用できる

 8)質問紙による適合検査
補聴器適合検査としての『きこえについての質問紙2002』の (jst.go.jp)
   →図1の質問に対し、図6で、10項目中7項目がその基準内に
    入っていれば適合と判断する

 【カウンセリング】
1)高齢者の特徴
 →高齢者は自分が難聴と自覚できていないことが少なくない
 →聴力測定結果などを呈示し、客観的に理解してもらうことが必要
2)高齢者の聴覚障害の特徴
 →語音弁別能が悪化していることが多い
 →周囲の人が適切な声の強さで、ゆっくり、はっきり話すことが必要
3)補聴器の装用開始時の指導
 →「言葉が明瞭でない」、「雑音がうるさい」という主訴に対して、
  説明が必要
 →世の中には音があふれていること、周囲の雑音が少しうるさいくらいで
  ないと、装用効果が得られないことの説明が肝要
4)補聴器の操作
 →装用の仕方、電源オン、オフの仕方、電池の交換、充電の仕方など
  基本的なことは、使用者だけではなく、家族も知っていることが
  望ましい。
5)家族に対する指導
 →大声で話すことは弊害となる可能性があるので、「普通の声」で、
  「少しゆっくりと」、「正面から」話すことが必要
6)補聴器以外の方法
 →補聴器周辺機器・聴覚支援システム
 →視覚情報の利用
 →コミュニケーションストラテジー

本日は以上です。


参考文献
認定補聴器技能者要請事業
第Ⅱ期養成課程
講習会テキスト
公益財団法人テクノエイド協会






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