香水講座2〜香水のジャンル〜

 それでは、まずはもっとも身近な香水のジャンルついてから説明をしていきます

 それぞれの香水には、様々な香りが含まれており、同じ系統の香りがまとまったものから、ごちゃごちゃなもの、あえて一つだけ違う香りがまとまったものなど、さまざまなものがあります。

 それらをだいたいの基準でグループ分けしたものが、香水の〜系香水と呼ばれる分け方です。基本的には、制作者・販売者が、購入者に香りのイメージを使えるために使われることが多いワードです。
 もちろん、複数の要素を持つ香水も多くありますし、人によって感じる分類が変わることもありますが、そもそも〜系香水という言葉自体が目安みたいなものなので、あまりこだわらなくていいかと思います。下記に代表的なものを列記します。


1、シトラス系

 レモン、オレンジ、ベルガモット、ライムなどの柑橘系の香りがメインとなる香水です。ただし、大体の香水には脇役として、柑橘系の香りが入っているので、存在の有無で判断しますと、全てシトラス系になってしまうので注意です。大事なのは、それがメインかどうかです。
代表例:トムフォード ネロリポルトフィーノ

2、ハーバル系

 ラベンダー、ローズマリー、ユーカリ、ティーツリーなどの、ハーブがメインとなる香水です。わりと飾らない、無印良品使ってそうな香りです。

3、フローラル系

 ローズ、ジャスミン、スズラン、スイートピー、リリー、カーネーションなどのお花の香りがメインとなる香水です。王道です。お花屋さんに立ち込める香りです。

4、ウッディ系

 サンダルウッド、シダーウッド、ウードウッドなどの香木や、パチョリ、ベチバーといった土臭いハーブの香りがメインとなる香水です。甘さはあまり目立たないことが多いです。(サンダルウッドを除く)

5、グルマン系

 完全に作られた、お菓子の香りです。基本的に香水は草花の香りですが、新規参入された香りの一つです。ポケモンでいう、イーブィ一族のニンフィアみたいな立ち位置です。キャンデーやチョコレート、キャラメル、なんかがあります。
 これは、分類が意見が分かれることはなく、一発ですぐにわかる香りの分類です。お菓子の香りがしたら、グルマン系です。

6、オリエンタル系

 ここから、少し複合系になります。オリエンタル系は、東南アジアの寺院のようなエキゾチックなお香のような香りになります。ウッディ系に濃厚な甘さを加えたような香りです。香水が作られている西洋からみた東洋というイメージの香りなので、日本人にイメージし辛い香りですが、こうゆうふうに見られているということですね。
 日本の香りというと、鳩居堂のお線香のような、あまり濃すぎない香りですので、日本というよりも、東南アジアをイメージしているのかと思います。

7、シプレ系 8、フゼア系

 最後に2つの香りを紹介します。これらを例えると、ポケモンでいう、グレイシアとリーフィアです。
 2つに共通して言えることは、
①実在するヒットした香水の香りのイメージが分野を作った、
②既存の香りの新しい組み合わせ
③新参者
です。

まずは、シプレ系について説明します。
この系統は、「キプレー(キプロス=イタリアのシチリア島)」を調香師が訪れてインスパイアされて作られた「女性向け」の香りになります。
フローラル+ウッディ+「クマリン」という組み合わせで、このクマリンは独特の甘さを持つ、香気成分になります。

次に、フゼアについて説明します。
この系統は、「フジェールロワイヤル」という香水が発売され、爆発的にうれたことから、この香りに似たものをフゼア系と呼ぶようになりました。
ハーバル+ウッディ+「クマリン」という組み合わせです。

この「シプレ系」と「フゼア系」については、そもそものモデルとなっている香水を嗅がないと判別しにくいです。キプレーは廃盤されていますが、フジェールロワイヤルについては香りを変えて生産中ですので、嗅いでみることも可能です。

 とはいっても、イメージし辛いと思いますので、簡単に判別できる、裏技を上げますと、
シプレは、ババくさい化粧品のような香り
フゼアは、ジジくさい理容室のような香り
です。

 かなり、悪い言葉を使ってしまっているので、申し訳なのですが、実際は其々とても良い香りです。ただ、シプレ系、フゼア系と呼ばれている香水にそれぞれ共通している要素を上げるとすれば、上記のようになります。

以上がだいたいと分類になります。ほかにも、オゾン系やグリーン系など、上げればきりがないほどありますが、それらはだいたい派生の系統になります。水の呼吸の派生の花の呼吸みたいなものですね。ここで説明した系統は割りとオーソドックスなものです。

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