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情報モラル教育は「道徳」と「学級活動」「総合的な学習」の時間で。

情報モラル教育について話す機会があり、以下にメモを転載。

Ⅰ 情報モラルの扱い
Ⅱ 情報モラルを扱う時間
Ⅲ 教科横断的に学ぶいい機会

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Ⅰ 情報モラルの扱い

R2スタートの新学習指導要領からは情報モラルの扱いが充実することに変化。これまでは留意することだったことから比較すると格上げの印象。

実際、教科書会社の設定する指導計画を見ても、テーマ一覧への記載(生命の尊さ・生命倫理、人権・いじめ、情報モラルなど)があったり、全学年(つまり小学校1年生から)現代的な課題として取り上げられている。

光村図書においては、全学年を通した情報モラルの内容に関しては、コラムと教材がユニット設定されており、道徳の学びからさらに一歩踏み込んだ思考を授業内外で育むことが可能。

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Ⅱ 情報モラルを扱う時間

扱う内容自体は

①情報社会における・・・
正しい判断力、相手を思いやるルールやマナーの態度育成
→主に道徳

②情報社会における・・・
リスクマネジメント、ICTスキル(知識・技能)の習得・活用
→主に学級活動、総合的な学習の時間。

と挙げることができる。情報社会の急速な発展の中で生きる(生まれながらにしてスマホ・タブレット世代)子どもたちだから、我々大人たちが生きてきた子ども時代とは大きな違いがある。いわば、Society3.0(工業社会)からSociety4.0(情報社会)、むしろSociety5.0(超スマート社会)との違い。

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①情報社会における・・・
正しい判断力、相手を思いやるルールやマナーの態度育成
→主に道徳

1人1台端末時代になったからとは言え、道徳の時間で必ず端末を使う必要があるとは思わない。むしろ、発達段階を考慮すれば1年生「みんながつかうばしょだから」(光村)での規則の尊重を学ぶこと、2年生「角がついたかいじゅう」(光村)善悪の判断、自律、自由と責任を学ぶことには十分な意義があると思われるし、多面的・多角的に考えを深めることもできる。

小学生の子どもたちが6年間の道徳の時間を通して、きまりを守ること、自分で善悪を判断すること、節度を守ること、お互いに理解しあうこと、礼儀を大切にすることなどをの本質を学ぶことで、情報モラルのベースを育成できる。

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②情報社会における・・・
リスクマネジメント、ICTスキル(知識・技能)の習得・活用
→主に学級活動、総合的な学習の時間。

世間一般的に情報モラルを学ぶ場面として思い浮かべるのはこちらではないだろうか。小学校には情報モラルそのものを学ぶ教科・領域はないので、カリキュラムと絡めて学ぶ必要がある。

ここに授業者・学校の授業デザイン力が求められる。

子どもたちが情報機器に接する傾向は、低年齢化・長時間化しているのはデータにも表れているが、学習活動におけるICT活用機会の少なさは、これまでの学校現場のICT未整備化の結果でもある。家庭では触る機械が多く、学校では・学びの場では触る機会が少ない。

とは言え、家庭内だけでICTスキルを高めていくのは難しい一面もあり、学校内外全ての場面で効果的にスキルアップしていかなければ、それこそトラブルに巻き込まれる可能性も高まってくる。

学校では日常的に情報機器に接し、対面、書き言葉、メディア、SNSなどの特性に応じた行動について考え、実践する学習が望まれまる。

それゆえ、道徳だけ、学活だけ、総合だけ・・・と特定の教科・領域だけの学びから脱却するいい機会が、情報モラル教育だと思われる。


<参照>
①光村図書小学校道徳「授業に役立つ! サポート資料室」

②道徳ジャーナル107号(学研教育みらい)


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