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給食無償化ニュースの陰で思うこと~アレルギー児の親として~

公立の小中学校で給食無償化の動きが活発になっているようだ。どんな家庭環境の子どもでも安心して温かい給食を食べられるのは良いことだと思う。でも、私はアレルギー児を持つ親なので、少し違う見方をする。

「アレルギー児の持参する食事代はどうなるの?

千葉県の例だが、17市のうち5市は支給を決めているが、12市はすべて自己負担としているそうだ。やはり・・・想像していたこととは言え、怒りが込み上げてきた。

悔しい思いをした数々の出来事

過去、私は、アレルギーを持つ娘の学校給食や飲食店での食事をめぐり、数え切れないほど悔しい思いをしてきた。最近は、悔しいを通り越して「がっかり」することも多い。

先日は、遠足時の学校支給の昼食に関して、こんな手紙を学校から受け取った。

「昼食のアレルギーの件ですが、昼食所に確認したところ『成分表は作成していない』『除去やおかず変更などの対応はない』とのことでした。この状況ですが、昼食はどのようにされますか?

不愉快だった。選択肢は一つしかないではないか。

「1択質問をするくらいなら、答えをそちらから出してください」と言いたい気持ちをぐっとこらえた。やり場のない悔しい気持ちだった。

飲食店で多いのは、「アレルギー児なのですが…」と言うと、露骨にめんどくさそうな顔をされること。入店を断る理由を並べて、こちら側からの「じゃあ、いいです」という諦めの言葉を誘導するパターン。これは本当に多い。今回の学校からの手紙も同パターンだ。答えは1択なのに、こちらが決断した、という構図を作ろうとするのだ。

給食費相当を受け取る権利がある

アレルギー児は、家庭での食事はもちろん、外食時には細心の注意を払って暮らしている。出かける前にお店に電話してアレルギーのことを確認し、お店に着いてからまたメニューを細かく確認。万一の混入、アナフィラキシーに備えて、アドレナリン自己注射薬(エピペン)を持参する。給食の献立表は1ヶ月分を事前にチェックして栄養士の先生と打ち合わせ。献立に食べられないものが含まれる日は、代替食を持参する。スーパーでは、必ず全成分をチェックしてから買う。

アレルギーのない多数派のこどもたちの隣で、アレルギー児とその保護者は、外には見えない努力をたくさしている。悔しい思いもたくさんしている。給食を無償化が「公平」を目指すものならば、アレルギー児への食費支給も当然のこととして実施して欲しいと思う。



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