面白い大阪の政治35:二階と大阪(後編)

面白い大阪の政治34の続きになります。


見えてきた衰え

 自民党幹事長の座を下されても、二階節は健在という人もいるが80代という事で勢いに衰えが見えていた。それは以下のところからも見てとれる。

和歌山IR誘致断念

二階俊博はIR誘致を国政の時から陣頭指揮を取ってきた。そして地盤の和歌山に呼び込むことへも積極的だった…のだけれどそれは二階俊博本人と周囲だけだった。
和歌山県議会の半数と住民は企業対応の不誠実さ理由に反対したのだ。和歌山県議会による法案が否決されたことにより和歌山のIR誘致は断念せざる得なかった。
というより大阪の誘致が優勢である事に焦った二階が無理した結果なんだろうな。小西などの邪魔と優柔不断な岸田のせいで遅れたが最終的に大阪に開業の認可が降りた事に二階は不満だったろうな。

2023年の統一地方選挙では…

2023年の統一地方選挙では二階は大阪に対して大して動かなかった…自民が「アップデートおおさか」への支援に留めたからだ。
今までならこれに対して「何をしているんだ。もっと積極的に動いて維新に勝て」と檄やボヤきを飛ばすのだろうがその気力すらも無いのだろう。もっとも大阪自民は弾不足であるからどんな候補を出しても維新には勝てない。
というか大阪府知事候補に「自民党政権を口悪く批判してきた豹柄大好きおばちゃん」を岸田文雄が応援したとなると不満あるよな。
なんなら大阪市長候補に立てた北野妙子も、自民に所属していながら自分の肝入り政策であるIR開業を反対する「裏切り者」だから上辺だけの応援もしたくないよな。だから反維新精神の強い自民党国会議員による北野妙子への応援メッセージも撮らなかった。
というわけでこの時は下の選挙に一点集中していたのである。

(旧)和歌山1区補選

2023年4月下旬、統一地方選挙後半戦と同日に行われた国政補欠選挙のうち衆院選和歌山1区に全力を注いでいた二階。自民候補としては門博文を擁立した。国政時代の因縁の相手であった、岸本周平現和歌山県知事の支援を受けて万全の体制かと思いきや…

やはりというかいざこざが…

実は自民候補の選定にはさまざまな思惑があった。もともと二階は参議院議員の鶴保を鞍替えさせるつもりだった。しかしそれを良しとしない世耕参議院議員が連敗続きの門に最後のチャンスをと言わんばかりに推してきた。鶴保も門も共に二階派であることから世耕の意見を飲んだ。
これまで門が負けていた相手・岸本周平が知事として支援してくれるし、まだ大阪の影響が少ないから維新にも勝てると踏んでいたのだろうが…

総力戦で臨んでも…

この補選中、岸田が応援に来た時に大きな爆弾騒動はあったが逆に「これを利用すればイケる」と踏んで畳み掛ける選挙戦に向かっていった。
自民党内の自分の配下は勿論、「盟友」である小池百合子東京都知事を呼んで門を熱烈に応援。他の4つの地域の苦戦するなか、何としても維新に勝つ為に動いていたが…

結果は関西での勢いましたことをそのままに維新の林祐美が当選し、自民党の門は約5000票差で落選。そして苦戦が騒がれていた他の4つの補選は自民が薄氷の勝利している。
しかし二階にとっては自分が尽力していた地元の選挙区で維新に負けた事が大層ショックで言葉が出なかったらしい。雰囲気は通夜。このまま10増10減の影響を受けて選挙区が減らされる中、候補者調整に飲み込まれることになった。

裏金問題で大変化

補選が終わった後は歳も歳なのか大阪に対しては発言が少なくなった。
しかし2023年末から発覚した裏金問題で5000億なんてものを未記載、未報告したもんだから槍玉にあげられた。
少しでも避ける為に取ったのが議員の事実上引退の意向を示した。このまま逃げるということだった。しかし近年の政治不信から「これで終わらせるな」という怒りの声があるのも事実。まあ大阪からしてみたら口うるさく言うのは続くだろうから早くくたばってほしいものである。

デスノートある?


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