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私が出来上がるまで(恋愛ごっこの終わり)28

私の中学時代の恋愛ごっこは続きます。
特に知らないのに、見た目とポジションだけでバレーボール部キャプテンのTくんに憧れているふりをしていました。
どれくらいでしょう、数ヶ月で副キャプテンのMくんに乗り換えました。
もちろん、この人も同じクラスになったことがないのでよく知らないです。
ただかっこいい、スポーツができる、私より背が高い、と言うだけです。
お顔立ちはTくんより好みだったので途中で乗り換えたのです。
とはいえ、勝手に言ってるだけで、彼らは知る余地もありません。
もちろん告白などするつもりもないです。
毎日の学校生活をより楽しく過ごすために私が勝手に決めた憧れの人でした。

思い出しました。
このMくんとは男友達に私とわからないように交換日記を渡してもらう役目をしてもらい、少しだけ交換日記をしていました。
そこでM君のことを少し知ることができました。
M君は釣りが好き。
私は興味のないことでした。
勝手に、彼のお嫁さんになったら嫌でも彼の釣ってきた魚をさばいて、嫌いなお魚料理を作らなきゃならないのかと。
いつか魚料理が好きになるかなぁとか心配していました。
もちろんただの想像です。
文章からはあまり共通点は見出せずにはいました。
この時の交換日記を運んでくれた友達には感謝しています。
多分あの仲良しのSくんだったと思います。
秘密を守る子です。
Sくんの好きな女の子も私は知っていて同じように協力をしていたので、より結束は固かったのです。

そしていよいよ卒業になり、高校も別々になるので、一か八か好きでしたと伝えることに。
さようならのつもりで。
なぜあんな暴挙にでたのか?あの頃の私の心境はあまり覚えてないです。
当時1番仲良しだった親友Fの家の電話からMくんの家に電話をかけたのを覚えています。
私の名前も名乗りましたが、もちろん知っているはずありません。
交換日記の相手だと言ったかどうかは忘れました。
とてもドキドキしてました。
好きと言うドキドキではなく、知らない男子に好きと告っていることにドキドキしていたのです。
何を喋ったのか覚えていません。
女友達を目の前にして何かたわいもない話をして普通にサヨナラと切りました。
もちろんM君は私に恋心はありません。知らないどこかのクラスの女の子から電話があっただけと言うことです。
これで、私の中学の恋愛ごっこは幕を閉じました。

中学時代は一年生の初めに父を亡くしたことから、各教科の先生方が私に対して優しい目を向けてくれていました。
子供ながらに感じていました。
私としては父を亡くしていることは悲しくて辛いことですが、心のどこかでまだどこかで生きているいつか帰ってくると思い込んでいたところもあります。
学校では全くいつも通りで、むしろ家よりも楽しい場所でした。
けど、周りは可哀想な子、気の毒な子だと扱う人もいます。
先生の忖度は少し恵まれてると悪い心が出たりもしましたが、友達からの同情はされることが辛かったです。

この経験から、今でも人を可哀想と思ったり口に出したりすることは控えています。
心の中ではそれに似た感情が湧きますが、決して可哀想とは言わないです。
それを言われた身を知っているから。
『可哀想』は相手を見下しているようにも聞こえます。
もちろんそんなつもりなどないのもよくわかってはいますが、物事に対して気の毒だと言うふうに言い換えるようにしています。

なので、中学ではとにかく笑って笑って過ごしてきました。

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