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花火大会

私が育った北の果ての街にも、それなりの夏はやってきて港祭りが開かれた。そこでの目玉は花火大会。

これは小学校に入る前の思い出です。

会場は紋別港で花火は赤灯台の辺りから打ち上げられたと記憶している。この花火大会には母と兄妹で出かけたのだが、紋別劇場のすぐ隣にあったお店でかき氷を食べるのが楽しみで、それから人で賑わう道を通って港の会場に行った。

1発上がって大きな歓声が沸いた後、次の花火が上がるまでが実に待ち遠しい。花火が上がる時にスピーカーから花火の説明などがあった。母は「滑らかに喋れてるわね」と嬉しそうにしたのも無理はなく、説明をしているのは父だった。

小学校に入る前の僕はすぐに眠くなってしまうので「眠たい! もう帰ろー!」と泣きだすのが毎年の恒例。よって、「また、まっこがぐずるから、全部見れなかったねー」と、みんなから文句を言われるのも恒例だったが、誰かの背中で揺られながら幸せな眠りについたのだった。

おんぶしている人を抽象的に描いただけ。
家族に禿げ頭はいない。


あのころと比べると、今日日本全国で行われる花火大会は何百倍も豪華になり「ものすごい」と思うのだが、花火が空を埋め尽くす華々しい光景は、なぜか自分の世界ではないと感じる。


小さい時の習性そのまま引きずる僕には、時折、遠くに聞こえる音に振り返ると、大空の中にひとつの花火が咲いている…、そのくらいで充分なのだ。その位が好きだ。


眠くなると機嫌が悪くなるのは、今も変わらない…。(汗) 


(まさき)


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